中小企業情シス稼業

2社連続で中小企業ひとり情シスやっています。 同じ境遇の方のお役に立てればと思います。

広告

2017年02月

中小企業のセキュリティポリシーはこのくらいでいい

救世主あらわる?!

最近、ベンダーの「中小企業ひとり情シスを支援する」的なサービス開始記事をよく目にします。
すごく期待して見るのですが、大抵ハードとセキュリティ止まりです。

ベンダーさん、そこじゃないんですよ~(笑)

もちろんどちらも大事かもしれませんが、ひとり情シスとしては敢えて手をつけていなかったり、軽くさばいているところなんです。

何故なら、中途半端に手をつけると、ものすごく仕事が増えてしまうからです。
そうすると他のことができなくなります。

ひとり情シス業務のレーダーチャートが崩れてしまうんです。

特にセキュリティはやりだすと際限がありません。
セキュリティだけ10点になっても、そのせいで他が1点になります。
情シス全体としては破綻です。
レーダーチャート1
ひとり情シスの仕事としては、基幹システムからエクスポートしたデータの集計とか、マスタメンテナンスとか、業務的なところのほうが重たいです。
手をつけないわけにいかず、さらに軽くさばくのも難しいところなんです。

まずはレーダーチャートの形を整える。
サイズは小さくてもいいから、大きな弱点を消す。
そして余裕ができたら、少しずつサイズを大きくしていく。
これがひとり情シスを長く続けるポイントです。
レーダーチャート2

セキュリティへの基本スタンス

というわけで、セキュリティに対しての、中小企業ひとり情シスの基本スタンスは、

・最低限の手数で落ち着かせる
・寝た子は起こさない

になります。

余裕ができて、他にやることがなくなったら、戻ってきて上のレベルを目指す、そんな感じです。
たぶんしばらく戻ってこないと思いますが(笑)

セキュリティポリシー的な

ひとり情シスとしては手をつけたくないのですが、取引先や経営層など、外的要因で
「ポリシーを作れ!」「規程を作れ!」となることがあります。
(ひとり情シスを放置している時点で、経営層も外敵、もとい外的です)
というより、作るきっかけはほとんどこの流れでしょう。

その際、各項目を一から積み上げて作ろうとすると、必ず抜け・漏れ、偏りが発生します。

私は以下の情報を利用させていただいております。

情報セキュリティポリシーサンプル改版(1.0版)

全てのジャンルを網羅していて、非常にありがたい情報です。

上記サンプルから、自分の会社で適用できそうな部分だけをピックアップしていきます。
中小企業ではほとんどピックアップできないかもしれませんが・・・

最初は無理せず、確実にできることだけ抽出します。少し緩いかな、というくらいで良いです。
セキュリティと利便性はトレードオフです。セキュリティのせいで日常業務が回らなくなると本末転倒です。

100点満点主義は危険です。会社全体の業務のレーダーチャートが崩れます。
知っててあえて100点を狙わないんです。

もしガバナンスレベルが上がってくれば、随時サンプルから抜き出して追加すれば良いのです。

最初はスカスカな内容になると思いますが、何もないよりはマシです。
これがあるだけで「セキュリティポリシーがある」と言い張れます。

経営層から内容を突っ込まれても、上記サンプルが根拠ですと言えます。
「ひとり情シスがネットで調べながら作りました」などと言うと訝しげな顔をされます。
権威に頼りましょう。権威には弱い人が多いです。

監査法人など外部の人にしつこく食いつかれたら、
「利便性とのバランスでこうしている。業務が回らなくなって倒産したら、おたく責任取ってくれるの?」
と最後は言えば良いのです。
(たぶん外部の人のほうがまともな視点を持っているので、食いつかれないと思います)



セキュリティって、言ってること全部正しいんですよね。

でも正論がゆえにタチが悪い。

水清ければ魚棲まず。
人生には、グレーをグレーのままにしておいたほうが幸せなことが多いでしょう。
見えてるけど、敢えて見えないふりをして触れない、その味わい深さよ(笑)

ベンダーさん、お願いなので中途半端にかき回さないでください。
せっかく泥が沈殿するのを待っていたのに、水がまた濁ってしまいます。

適当にハードとセキュリティでお茶を濁すくせに、「ひとり情シスを支援します」とか軽く言わないでいただきたい。


ベンダーさんはわかっているんですよね。
面倒で儲けにならないから、情シス仕事の本質的なところには手を出してこない。
会社経営としては正しい判断ですよね。

でも、いい加減本質から目を逸らすのやめたら?(笑)

情シスはもとより社会人は勉強しつづけなければならない

student-writing-on-paper_925x

「無免許のF1レーサー」でずっと行ける?

ITの仕事をしていると「継続的な勉強が必要」とはよく言われることです。
でもなかなか難しいですよね。


「経験があれば仕事できるんだからいいじゃないか」という考え方ももっともです。
経験なしで、勉強ばかりしている頭でっかちよりマシです。


ただ果たして経験だけで良いのか。
「無免許のF1レーサー」でずっと行けるのか。


例えば、仕事で峠越えの山道を毎日走っているとします。

以前は60分で走っていたのが、運転技術を磨き45分で走れるようになった。もちろん法定速度内でです。

でも知らない間に高速道路ができていて、10分で行けるようになっていた・・・


現実では高速道路に気づかないことはないですが、仕事では十分ありえる話です。

これが趣味のドライブの話なら何の問題もありません。運転自体を楽しんでいるのですから。

しかし仕事では、目的地に早く着かなければなりません。早くて悪いことは何も無いので。

部下や同僚がいれば、更に影響は大きいです。
その峠道しか知らないと、無理な運転を強いることになります。

経験と勉強は両輪

経験はもちろん大事です。

でも仕事をしていると、どうしても行き詰まる時が来ます。
ラクではないけれど、何となく仕事は回っていて、目標が見えなくなる感じです。


ここでどうするか。

私は仕事で行き詰まり感が出たときや、目標を見失ったときは、勉強をすることにしています。


勉強をすると、

・バラバラの経験を体系化して整理する
・経験の理論的な裏づけを取る
・外の新たな知識で、経験を再定義する

などが可能になります。


行き詰まるということは、それなりに仕事ができるようになり、経験が踊り場に来た証拠と言えます。
勉強することで、成長の階段を一段上がれるのです。

社会人のキャリア形成において、勉強と経験は両輪だと考えています。

勉強のきっかけとしての資格試験

とはいえ具体的な目標もなく、ただ単に勉強だけをするのはなかなか難しいです。

営業職の人と話すと、
分かりやすい資格のようなものがないので、モチベーションを維持するのが難しい、と悩んでいます。
転職しようにも、スキルを客観的に表現するのが難しいのです。


幸いなことに、ITは他の職種より資格試験モノが多いです。
客観的に自分の力を試したり、証明できたりする恵まれた環境にあります。

また、ひとり情シスは孤独なので、上司や周りから良くも悪くも正しい評価をもらえず、行き詰まり感が出やすいです。
そんなとき資格試験を目標にすると、自分を客観的に見る良い機会になります。

資格オタクになることはないですが、利用しない手はないと思います。

関連記事:

勉強は公私どっちのリソースを使う?

勉強をする場合は、プライベートな時間を使う必要があります。
研修などを除き、仕事中に本を読んで勉強するのはなかなか難しいと思います。


「仕事・会社のために、貴重な自分の時間やお金を使いたくない!」
という感情もあると思います。なんとなく気持ちはわかります。


でも、そんなケチな考えは捨てるべきです。


書店に行くと、つい仕事関係の本に目が行くことがあると思います。
「公」のために「私」の時間を使っているのです。

仕事をより良くしたいと思う人にとっては、それが普通です。
勉強もその延長ではないかと思っています。


またお金についてですが、
私は会社のお金で本を買うのは好きではありません。買って良いと言われても買いません。

自分のお金で買うと、選ぶのも読むのも真剣になります。
試験ならなおさらです。
落ちたら財布へのダメージが大きいので、緊張感が違います。


結局、会社のリソースを使うよりも費用対効果がいいのです。

勉強は、それ自体が目的ではなく、何かを得るのが目的です。

お金よりも時間のほうが大事です。
会社が千円出してくれるまで、その本を読まずに我慢するのかという話です。
待っていると情報の鮮度が落ちてしまいます。何十万円もするなら少し考えますが。

※ちなみに私は、ITコーディネータの講習に自腹で行きました。当時は約50万かかりました。
もちろん得たものは大きかったですが、今考えるとちょっとやりすぎた感もあります(笑)
でも一緒に講習を受けた方は、「『受講したい』と言い続けて、3年経ってやっと参加させてもらえた」と言っていました。3年待つ時間をどう捉えるかというところです。

プライベートのリソースを使って勉強すると、知識が確実に身につきます。


逆に仕事で得た知識が、プライベートに役立つこともちゃんとあります。

ちょっとスケールの小さい話ですが、私は会社移転の経験が、自分の引越しに役立っています。
準備作業などの手際や小道具などの点で、スムーズに進めることができました。

引越し経験で気づいたことが、また会社移転の仕事に役立つのです。

関連記事:


自己投資などと堅苦しく考える必要はなく、
「公」と「私」が表裏一体でうまくつながれば良いと思っています。



以下は半分言い訳です(笑)


ITの勉強は疲れます。
歳を取ると、新しいことを積極的に覚えるのは辛いです。


ただ40代になると、知識の深さだけでなく、幅広さも求められてくる気がします。

最近私は、自然科学や歴史など、ITに直接関係のなさそうな本を読むようにしています。
全く別の視点が得られ、ITの仕事にに生きることを期待しています。


ビジネス書をしきりに読んでいた時期もありました。
ただ、どれも同じことが書いてあったり、「もうやってるよ」と感じることが多くなりました。
結局、読み返したいと思う数冊を除いて処分してしまいました。


あまり肩肘張らず、いろんな形で頭を柔らかくしておきたい、と今は思っています。

関連記事:

中小企業情シスの社内IPアドレス管理方法 実例も公開!

apartment-building-windows-glowing_925x

情シスはIPアドレスの管理を避けられません。

クライアントはDHCPで運用していたとしても、
ルータやサーバ、プリンタなどには、固定でIPアドレスを振る必要があります。

もちろんDHCPのリース範囲も押さえておかなければなりません。

これはTCP/IPを知っているかどうかの問題ではありません。
情報をきちんと管理するかどうか、意思の問題です。

失敗例

前任者が残したIPアドレスの管理表です。

IPアドレス管理1


これまで私が情シス業務を引き継いだ際は、
このような形で管理していたケースがほとんどです。

管理とも言えないレベルですが、何も無いよりはマシというところでしょうか。

それにしてもセンスのないやり方です。どうりで会社から逃げ出すわけです。

一時が万事です。すべてにおいて情報を整理するセンスがないのです。

関連記事:
中小企業情シスに向いていない人にありがちな5つの特徴

私はこうしている

今の会社に来て、すぐにこの表を作り変えました。


中小企業なら、プライベートアドレスで
 クラスC(192.168.0.0 ~ 192.168.255.255)
を利用することが多い思います。

そうなると、各ネットワークで利用するIPアドレスは、254個になります。
例えば、192.168.1.1 ~ 192.168.1.254 の範囲を1拠点で使うことになります。
※192.168.1.0はネットワークアドレス、192.168.1.255はブロードキャストアドレスとなります。


中小企業なら、拠点数もそれほど多くないはずです。
例えば20拠点なら、192.168.1.0~192.168.20.0 くらいでしょうか。


私が今まで経験した会社では、全てこの範囲に収まっていました。


私は以下のような表で管理しています。

IP

※内容はサンプルです。


ポイントは以下の通りです。

①各拠点(ネットワークアドレス)ごとにExcelのシートを作ります。

②シートの左上とシート名には、ネットワークアドレスを記載します。

③4オクテッド目のアドレス、1~254までの全ての値をシートの一番左の列に入力します。

④内容には、「ルータ」「サーバ」「プリンタ」などの内容とホスト名を書き込みます。
DHCPの範囲も書いておきます。

⑤ある範囲のIPアドレスの範囲を、他部署に任せている場合もあると思うので、
その場合は「管轄」の列に記載します。



ベンダーがルータを管理し、そこからDHCPでIPアドレスを払い出している場合、
管轄はベンダーということにし、ベンダー名を書いています。(上記画像の「A社」)

ホスト名の列を専用で作っても良いと思います。
資産管理台帳ではないので、私は敢えてシンプルにしています。

一見冗長に見えるが

上記の管理方法では、IPアドレスをずらーっと並べるなど、一見無駄が多いように見えます。

しかし、この管理方法の長所は、空いているIPアドレスがすぐわかる、ということです。

例えばベンダーから
「東京ネットワークのIPアドレス4つ払いだして欲しい」
と言われても、すぐに空きがわかります。


IPアドレス管理の目的は、

・そのIPアドレスを使っているのか、いないのか
・どの範囲が大きく埋まっているのか、空いているのか

をすばやく知ることだと思います。



「IPアドレスが10個欲しい」と言われたが、どうも後で追加依頼が来そうだとします。
もし周囲が詰まっている範囲を払い出してしまうと、追加依頼が来たときに、最初のアドレス範囲と離れたIPアドレスを払い出さざるを得ません。

私の表ですと、ひと目で大きく空いている箇所がわかります。


失敗例のような表で管理をしていたとしても、空き番号を正確に知るには、
結局私の表のような書式に一度書き直して確認する必要があるのです。

冗長に見えますが、必要があるなら最初からその形にしておくほうが効率が良いと思います。


「IPアドレスが足りない!」と思っても、この書式で見ると意外とIPアドレス空いてるな~と感じると思います。



このIPアドレス管理の方法は、最初はシートをたくさん作ったりして大変ですが、
後のメンテナンスがラクなのでお勧めします。

もちろん、日常のメンテナンスも重要です。
サーバの導入やプリンタの入れ替えなどがあれば、すぐに修正をします。
修正しやすい書式になっていると思います。

まあ残念な人々はそれができないんですが・・・

関連記事:
中小企業情シスに向いていない人にありがちな5つの特徴


資産管理システムを入れれば一発なのでしょうが、
まあ中小企業では絶対に予算が回って来ない部分です。

今までの会社でそういったシステムが入ったことはありません。

しばらくは手作業で地道に管理するしかないようです。

ひとり情シスで困っている場合、サーバ監視はこれだけやっとけばいい

women-with-surveillance-cameras_925x


クラウド利用が増え、オンプレミスでのサーバ管理するシーンも少なくなってきました。


ただ中小企業では、なかなか過去のオンプレサーバから脱却できないケースも多いと思います。
また社内に設置はしていなくても、データセンターにハウジングしている場合もあります。

これらの場合、サーバの管理は情シスがやらなければなりません。

サーバ障害は二次的ダメージが大きい

サーバ管理としては、まずアカウント作成などのルーティン作業があると思います。
当然情シスの仕事となります。

もう1つ大事なのは、サーバやネットワークの障害対応です。

ハード故障などのサーバ障害は、影響が全社に及ぶことが多いため、対応が最優先になります。


障害が起こること自体は仕方ないことです。

それよりも痛いのは、その日予定していた仕事ができなくなってしまうことです。
それによってまた仕事が遅れる悪循環。

代わりにやってくれる人がいない情シスにはサーバ障害はダメージが大きいのです。

やりたい仕事を邪魔されないために

情シスにとって、予期せぬサーバ障害は、不意に後頭部を殴られるかのような精神的に辛いダメージです。

ユーザからの連絡で障害を知った場合がまた辛いです。
情シスとして先に検知できなかったのは、恥ずべきことだと思います。


障害の予兆を察知したり、障害が起きてもすぐに対応すれば、被害は最小限に抑えられます。

そのため、サーバは毎朝必ずチェックします。

サーバで提供しているサービスが稼動しているかどうか、はもちろん確認します。
それ以外に、私がやるべきだと思う最低限のチェック項目は、

・ディスク空き容量
・イベントビューア(ディスクエラーがあると「システム」にアラートが上がります)
・RAID(マネージャソフトでの確認・ディスクランプの目視確認)
・バックアップの成否
・Pingの応答速度(データセンターにある基幹システムなどへ)
です。


下のようなチェックシートを作るのも良いと思います。

サーバ監視1

気づいたことや、設定変更したことなどもメモしておくと、後で助かります。

毎日見ることのメリット

毎日チェックをしていると、以下のようなメリットがあります。


・ベースラインがわかる
「ディスクの空き容量が圧迫されてきた!」となっても、
それが昨日今日で急に起こったことなのか、それともこの1年ずっとギリギリでやってきたのか。
それによって対応が違ってくるでしょう。

今の値が異常値かどうかの判断基準ができます。


・普段との違いに気づく
毎日見ていると、何か違いがあると気づくようになります。
画面が何か違うな、と。

それが障害のサインだったりします。


・今日やるべき仕事に安心して取り掛かれる
ユーザから「サーバ使えないんだけど」と突然言われることは、精神衛生上も良くないです。
作業中の仕事を途中で止めて障害対応していると、両方が気になって、どちらも失敗しそうになります。

朝にサーバをチェックして、今のところ障害がないとわかれば、後顧の憂い無く、今日やるべき仕事に着手できます。


・何故か安定稼動するようになる
根拠はありません(笑)

サービスが勝手に落ちて困っていたサーバも、毎日見るようになると、何故か安定稼動するようになります。



サーバの台数が多ければ、チェックを自動化するのも一つの手です。

ただ、私は今までの会社では、監視対象がほぼ10台以内だったので、その仕組みを作るのが面倒で、リモートデスクトップで入ってみたり、目視したりしてきました。

自動化するとちゃんと通知が来るかどうか気になってしまって、結局見てしまいそうだというのもあります(笑)


今後は、クラウドへの移行などで、自動化というよりは、管理対象を減らす方向で行きたいと思っています。



これまで見てきた会社を思い返すと、中小企業の情シスはハードに苦手意識を持つ人が多いです。

そんな人たちもサーバの機能はしっかり利用します。
でもハードやOSの状況は見て見ぬふりで、サーバは放置され、ほこりまみれになっていました。

関連記事:


ほこりまみれになると、余計故障の確率が高まります。
会社の移転で、いざサーバを移動しようとしたときに、ディスクのエラーランプが点灯していることに気づいたこともありました。


監視すべきサーバは、毎日少しずつでも見たほうが良いです。
ディスクのランプを目視するだけでも良いと思います。

大抵のサーバはRAID構成になっているので、1台ディスクが壊れただけなら、余裕を持って対応できます。

いくらRAIDでも1台目の故障に気づかなければ意味がありません。


盆休みで長期休暇を取っている間に、ディスクエラーが出ていることもありました。
ハードベンダーへ飛ぶはずの通知メールも、設定ミスで飛んでいませんでした。
休み明けの出社時に気づき、大事には至りませんでしたが、肝を冷やしました。

皆で時期をずらして休みを取っていたので、会社には同じ部門の人が出ていました。
でもひとり情シスなので、誰も対応してくれなかったのです。


事情を説明すると、普段は、「IT?よくわからん」という上司ですら、さすがに想像できたようです。
それ以降、ディスクランプの確認の仕方と、ベンダーの連絡先だけは、周りの人と共有するようになりました。


情シスの他の仕事もこれくらい理解があると助かるのですが・・・

社内SEは媒体管理をナメないほうがいい

box-piles-in-japanese-market_925x

PCの媒体ってどうやって管理していますか?

最近はPCのHDDの中にリカバリ領域があり、あまり媒体類は付属してきません。

ただ、過去に購入した分の媒体がまだまだたくさんあります。
もしものときに備え、機種ごとに媒体を作成しておく必要もあります。

※ちなみに私は媒体を作って、後で失敗しているとショックなので、購入時、機種ごとに1~2セットは媒体を買うようにしています。作る手間も考えると安いものです。


中小企業では機種を揃えたまとめ買いが難しいので、媒体の種類が増えがちです。
管理も大変になってきます。

PCだけではなく、サーバも同様です。
パッケージソフトや付属品はPCより多くなります。

家で使うPCなら、買った箱に入れておけば良いのですが、会社ではそうは行きません。

必要なときに限って見つからないことも多々あります。

お安く管理

私は、ボックスファイルを管理に使います。

フタつきが良いです。
事務所移転のときに、ダンボールにもそのまま入ります。


プラス ボックスファイル FL-081BF 蓋付 A4E



最初は、1機種ごと上記ボックスファイルに入れていました。
ただ、さすがにスペースがもったいなくなってきました。

そこで、チャックつきビニール袋に機種ごとに入れ、PCメーカーごとにボックスファイルを分けるようにしました。

ボールペンで書き込めるラベルがつきが便利です。


生産日本社 ユニパック マークG 記入欄 ラベル付きタイプ 200×140×0.04mm 100枚 生産日本社 セイニチ 0.04mm厚 透明 チャック袋 チャック付き袋 ビニール袋 小分け 小物 密封 チャック付きポリ袋 ポリエチレン袋 ジッパー付き ファスナー付き 透明袋



サーバの場合は媒体が多いので、ボックスファイルを占有させます。
2個以上になってしまった場合は、「○○サーバ 1/2」「○○サーバ 2/2」などと表記します。

ボックスファイルやビニール袋を買う費用すら出してくれない会社は、辞めて良いと思います(笑)

すぐ整理する

媒体管理は最初が肝心です。納品されたらすぐにやります。

最悪なのは、買ったときの箱に入れたままにしておいたり、ダンボールに押し込むことです。
中身を確認するためにいちいち開けなければなりません。効率が下がりますし、ストレスが意外と大きいです。

私が過去にいた会社では、紙袋に媒体類を入れ、マジックで外側に中身を書いていることもありました。汚らしく破けて、最低でした。
本人は整理したつもりになっているんでしょうね。後任者としては、迷惑でしかありませんでした。


私は、PCセットアップマニュアルの最初に、整理をするよう書いています。

PCにテプラを貼り、媒体・マニュアル類で要らないものはよけて、潰したダンボールや不要なビニール類と一緒にゴミ箱に持って行きます。それからおもむろにセットアップ作業開始です。

テプラがPCに貼ってあるので、セットアップのミスも防げます。


ダンボールやケーブル類が入っていたビニール類を散らかしたまま、セットアップするのは大嫌いです。
必要なものを失くす、間違えて別の機種の媒体が混ざる、といったりリスクが増えます。

パッケージソフトの箱も無駄に大きいので捨てます。空気を保管しておく必要はありません。
余計な広告などもたくさん入っているので、どんどん捨ててスリムにします。

保管するものの基準ですが、最低限、

・保証書
・ライセンス証書
・リカバリ媒体
・リカバリマニュアル
・ハードサポート連絡先(法人向け専用の連絡先が書いてある場合があります。最近はメーカーも電話してほしくないのか、ホームページを見てもすぐに電話番号がわからないことが多いです)

があれば何とかなります。
経験上、上記以外のものが無くて困ったことは1度もありません。


媒体数としては、1機種あたり2セットもあれば十分だと思います。
それ以上になったら躊躇せず捨てます。

捨てるのが怖い場合は、とりあえず取っておき、定期的に見直します。
もちろん該当するPCがなくなったら、媒体も廃棄します。

きちんと整理しておかないと、媒体を捨てて良いかの判断がつかないのです。
そうやって無駄に場所を取っていくのです。



以前いた会社では、媒体がPCを買ったときの箱に入れられたままで、倉庫に数百個くらい置きっぱなしになっていました。

PCが故障しリカバリする際は、まず倉庫で該当の媒体を探すのが一苦労でした。
その会社ではひとり情シスではなかったのですが、誰も整理しようとはしませんでした。


私は空いている時間を見つけ、1人で整理しました。1年くらいかかったと思います。

整理が終わると、媒体を探す手間が格段に減り、リカバリのスピードも向上しました。
その後、事務所の移転もあったので、予めやっておいて正解でした。


この経験から、整理整頓の重要性を知りました。

物理的なことだけではなく、データも同じです。
検索スピードを上げるのも大事ですが、その前に検索範囲を狭めることのほうが効果的です。


また数量に圧倒されても、まず着手してみることが大切だと気づきました。
1つずつコツコツやれば、いつかは終わります。
これは能力の問題ではなく、意志の問題、さらに大げさに言えば勇気の問題なんだと思います。

関連記事:
広告
広告
プロフィール
40過ぎて何とか結婚し、2015年末に子どもができた、左利き初老オヤジです。日本史を再勉強中。株、囲碁、鼻炎、眼振少々。中小企業ハッタリテキトー情シス(社内SE)。Access/ExcelVBAしか武器(?)はなし。情試はPM/SM/SA/NW。 ベンダーSEを数年やり、その後情シスに転職しました。 情シスでは中小企業ばかり3社見てきました。現職と前職ではひとり情シスです。 会社では「いないとヤバいが、評価はしない」という扱いです。 ノウハウを伝える相手もいないので、せっかくなので自分なりのコツを公開したいと思います。 同じような環境で苦労されている方のお役に立てればと思います。 「情シスの格を上げる」が目標です。 Twitterをフォローいただくと、ブログ更新時に通知されます。http://twitter.com/suiton_everyday よろしくお願いいたします。
お問い合わせ
お問い合わせはこちら
プライバシーポリシー
・当サイトに掲載されている広告について
当サイトでは、第三者配信の広告サービス(Googleアドセンス)を利用しています。
このような広告配信事業者は、ユーザーの興味に応じた商品やサービスの広告を表示するため、当サイトや他サイトへのアクセスに関する情報 『Cookie』(氏名、住所、メール アドレス、電話番号は含まれません) を使用することがあります。
またGoogleアドセンスに関して、このプロセスの詳細やこのような情報が広告配信事業者に使用されないようにする方法については、こちらをクリックしてください。

・当サイトが使用しているアクセス解析ツールについて
当サイトでは、Googleによるアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」を利用しています。
このGoogleアナリティクスはトラフィックデータの収集のためにCookieを使用しています。
このトラフィックデータは匿名で収集されており、個人を特定するものではありません。
この機能はCookieを無効にすることで収集を拒否することが出来ますので、お使いのブラウザの設定をご確認ください。
この規約に関して、詳しくはこちら、またはこちらをクリックしてください。