中小企業情シス稼業

2社連続で中小企業ひとり情シスやっています。 同じ境遇の方のお役に立てればと思います。

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2019年06月

ひとり情シスには評価はなくても、裁量は必要

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何なんだろう、会社にいる時のこの息苦しさは・・・
病院行けって話もありますがw

いろいろ考えて、やっと言語化できたというか、自分の中で納得したというか。
今さらなんですが・・・

評価されないのは仕方ない

まず評価されないのはわかっています。

もう諦めました。


経営者は、「自分が理解できないことは評価しない」なんですよね。
前社でもそうでした。

彼らは「ITは面倒で関わりたくない。でも破綻するとヤバい」ってのは何となくわかっています。
ひとり情シスに丸投げして見て見ぬフリをする。
この形が彼らにとっての最適解なんです。それしか浮かばないんです。

バカだなあとは思いますが、バカなんだから仕方ないw


親世代なんかは「きっと誰かが見ていてくれる」なんて気休めを言ってきます。
でも、そんなのは古き良き時代の思い出です。ファンタジーです。

今の経営者は、見ていなさそうで、本当に見ていませんよw
節穴です。

裁量もないのはガマンできん

でも評価に加えて、裁量までないのはガマンできないんですよね。


例えば、地方拠点のPBXの修理の稟議に、何で30分も文章考えなきゃいけないんだと。5万円程度ですよ。
ワークフローの稟議の提出ボタンを押すまでに、ものすごくストレスがかかっています。

100人程度の会社にとっての5万円なんて、個人でいえば500円相当ですよ。
何かが壊れて、代わりのものが500円だったらすぐ買うでしょう。
それも先月買ったばかりのが壊れたのではなく、10年選手ですよ。

別に無駄遣いするわけではないですよ。重要な機器を修理したいだけなんです。
電話できなくていいのかという話です。普段電話ばかりしてるじゃないかw

迷う時間がもったいないのです。


裁量が増えるってことは、権限が増えるってことなんですが・・・
もちろん表向きの権限は上に握ってもらっていいんです。どうぞ握りしめててください。
でも
実質的なところは社内SEに握らせてもらえませんかということなんです。

上で書いたとおり、「
ITは面倒で関わりたくない」んですよね?
面倒なところやりますよ。丸投げされますよ。うまいことやっときます。
裁量さえくれれば。


えっ?「それじゃ責任だけ取らなきゃいけないじゃないか?」だって?
早くそのイスから降りてください。

裁量があるから踏ん張れる

裁量があるなら、トラブルが起きても自分ごととしてすべて受け止められます。
自分で選んだのだから、と。

今の会社は、経営者が「ITなんてスマホと一緒だろ」とばかりに、中途半端な知識でプロダクトだけ決めて、「あと面倒なとこよろしく~」です。

子どもがおもちゃを選んで、
「組み立てて~」「電池入れて~」「壊れたから直して~」
と言っているのと一緒です。
そんな気楽な仕事なら俺だってやりたいわw

面倒なところまで含めてITの仕事なんですよ。ITに限ったことではないでしょう。


経営者にとって都合のいいところだけ、ひとり情シスに丸投げです。
こんな仕事の振られ方をしたら、トラブルとかがあったときに、気持ちの踏ん張りが利きません。

前の会社では評価はありませんでしたが、裁量というかやりたいことは比較的できました。
もちろん事前の根回しは必要ですが、重箱の隅を突かれるようなことはあまりありませんでした。

せめて裁量を

評価が無いなら、せめて裁量くれよって話です。

口を出さずに、金を出せ。

こんなことを下から言わせるな。情けない。


まあ要するに信頼関係がないってことなんですけどね。
裁量を与えたくない=信頼できないということなのでしょう。

そんなに信頼できないなら、ひとり情シスをリストラしたらいいんですよ。
なのにそれもしない(できない)・・・

ということは、ひとり情シスは会社に貢献しているということになるんじゃないですかね。

貢献しているのに評価しないとはどういうことなのでしょう???
話が最初に戻ってしまいましたwww



今の会社では、上記の通り評価も裁量もありません。

ただ、残業ほぼ0、有休も好きなときに取れる、という面だけは良いです。
むしろそれしかありません。なかったら居る意味がないくらいです。
ここ5年くらいプライベートで忙しかったので、この点では助かりました。

プライベートもだいぶ落ち着いてきましたので、そろそろ次の環境に行かないといけないかなと思っております。
そうしないと腐ってしまいそうで・・・

システムが老朽化してから、「システムと一緒に業務改善だ!」では遅い

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再リースに入る頃になると、基幹システムベンダーが「次のシステムいかがっすか」と提案に来るようになります。

もちろんこちらも「今のが使えるからいらないよ」と言うので、ベンダーはハード・ソフトの保守期限を盾にリプレースを迫ってきます


「なぜほぼ5年に1回、まだ使えるシステムのために大金払わなきゃいけないんだ!」
基幹システムでよく経営者から聞かれる言葉です。

もちろん金額の問題はありますが、ITへの投資って定期的に必要だと思うのですが・・・


まあ駄々をこねても結局、ハード・ソフトの保守期限には勝てません。渋々リプレースをすることにします。

で、その時必ず腹いせに(笑)、「これを機に業務改善だ!」「基幹システムベンダーも変える!」と言い始めます。
何でこいつら同じ動きばかりするんだろw


システムの老朽化に迫られてから業務改善なんて無理なんですよ。

特に期限に迫られて無理やり新規ベンダーにやらせると、結局既存ベンダーより費用がかかります。
プロジェクトが失敗した後に「これまでのベンダーで良かったよね」と何度聞いたことか・・・疲れます。

ではどうすべきか。

今回のシステム導入は「捨てる」

今回導入するシステムは「捨てシステム」と位置づけるべきです。

期限が迫っている状況では、諦めて現在のベンダーに移行を頼むのが安全です。
限られた時間で、慌ててあれもこれもやろうとすると、必ず破綻します。


腐っても基幹システムベンダーです。
既存のシステムについては熟知しているので、移行のリスクが下がります。

データ移行の部分も地味ですが重要です。その辺りを「ある程度は」おまかせできるのは強いのです。
落とし穴もありますが・・・

関連記事:
基幹システム導入 仕様策定3/3-データ移行内容の明確化


それ以外でも無傷ではないです。トラブルは必ず起こります。
でも破綻まではいかないだろうというところです。


これ別に既存の基幹システムベンダーを擁護するわけではないですよ。

そもそもリプレース提案が毎回同じ手口なのがいけないんですよね。もっと上手にアプローチできないんですかね。

おかげで外資のPowerPointが上手な営業が、直接経営者にクラウド提案しちゃって、頭がお花畑になっちゃうんですよ・・・


既存ベンダーに頼むのは、無謀なプロジェクトよりはマシということです。
一見、芸が無いように見えますが、結果として安く上がるし、トラブルも最小限になるのです。

芸が無いという言い方をされるのも実は心外です。
そもそも時間に余裕のある時から、次期システムの検討を開始していないのが悪いのです。

社内SEとしては、早めに「次のシステム検討を始めましょう」と上に提案して、後で責められないようにしておく必要があります。
一笑に付される可能性が高いですが、実際に検討をやるやらないはどうでもいいです。「警告したぞ」というポーズになればいいのです。

「捨てシステム」が安定稼働したら、見直し検討を開始する

今回の「捨てシステム」が安定稼働したら、速やかに見直し検討を開始します。
不要な業務・代替可能な業務を洗い出して、次のシステムには実装しないようにします。

期限に迫られることも無いので、余裕をもって検討できます。
作ったばかりのシステムの資料があるでしょうし、不要だなと思いつつ、泣く泣く実装した機能など、まだ記憶に新しい部分もたくさんありますから、検討もしやすいと思います。


要件がまとまれば、他のベンダーから「精度の高い」相見積も取れるようになります。

相見積は精度が高くないと意味がありません。
新規で売り込んでくるベンダーの見積は、当然業務の理解が浅いので、必ず安い見積になります。
それだと見積を比較する意味が無くなります。で値段に食いつくと、安かろう悪かろうということに・・・

相見積が取れるということは、既存ベンダーには相当プレッシャーをかけることができます。
彼らは「相見積なんて取れっこない」とあぐらをかいていますから。

関連記事:


現場も努力が必要です。
安定稼働している時こそ、課題をピックアップして蓄積すべきです。
プロジェクトが始まってから慌ててネタ集めでは遅すぎます。

また無視されるんでしょうけど・・・

「捨てシステム」の提案をしても、まあこんな地味で無駄金使うように見える話は無視されるでしょうね・・・

無駄金に見えるものは、実はこれまで満足にITに投資してこなかった報いなんですが・・・

ITを使う限り、結局どこかで投資しなきゃいけないんですよ。
それが嫌なら紙に戻ればいい。



社内SEは経営層とのコミュニケーションが大事なんですよね。

今の会社では、どうも方向性の面でコミュニケーションが難しく・・・
初めからプロダクトありきで話を進めようとされるので・・・
だから余計コミュニケーション取りたくなく・・・w

プロダクトは決まったよ。あと面倒なところはよろしく~
できるかそんなもんw


首突っ込んでくるなら最後までやれ!
それができないなら首突っ込んでくるんじゃない!

もうついていけません・・・

たいそうなシステム入れる前にやることがあるんじゃない?

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ベンダーは何でもかんでも「簡単に作れます!」「全部連携できます!」って自信満々だけど、まゆつばすぎて聞いてるほうが不安になります。

正しくは「【お金かければ】何でもできます」でしょ。ちゃんと【】内の説明しないと。
家借りる時だって紛争防止の説明が義務付けられているでしょうが。


そういう輩を呼び寄せてしまう、中小企業の経営者さんにも大いに問題があります。

たいそうなシステム入れる前にやることがあるんじゃないの?

データ蓄積の文化醸成

行き当たりばったりで、やったらやりっぱなし。
「前も同じようなことがあったな~どうやって解決したっけ?」と何度も同じミスを繰り返す。

システム導入したらこういう体質は直るのか?

システム導入すると、いろいろ事細かに入力する必要が出てくるわけで。
データが全部入っていることが前提ですからね。
そうなるとだらしない人が足を引っ張るわけで。

システム導入の前に、何でもきちんと記録する風土がまず必要なのでは?


「システムがないから記録できない!」なんてうそです。
最初はExcelファイルに記録するだけでいいんですよ。無料のクラウドサービスだっていくらでもあります。
能力の問題ではないです。意思の問題です。

関連記事:


データが蓄積されていれば、その後のシステム導入もスムーズになります。

何故いままで紙でやっていたようなことを、いきなり大掛かりなシステムに一足飛びに行かせようとするのかがわからんです。

自分から情報を取りに行く文化醸成

グループウェアなどの掲示板があるのに、誰も見ていない。

それどころか「そんなもの見るわけない」と開き直る始末。
見ていなくても不利益を蒙らないから、見ないんですよね。

これじゃあどんないいシステム入れてもダメですよ。

普通はグループウェアなんかを入れてしばらくすると、「お前掲示板見てないの?バカじゃねーの?」とユーザ同士で勝手に注意しあってくれるんですよ。

その空気すら醸成できない会社は、大層なシステム導入しちゃダメです。


ちょっとしたことは自分で調べる、という姿勢も同じ。

「電話で聞いたほうが早いから」というふざけた方もいらっしゃいますが、聞かれているほうの時間を奪っているんですよ。
働きかた改革と言われるこのご時勢、それはとても罪なことをしているとわかっているんでしょうか。

情報共有する文化醸成

全社員に掲示板で情報共有しろというわけではないです。
自分の仕事の後工程の人が仕事をしやすいように、必要な情報を共有するということです。

前工程の人が以下のようなだらしない感じだと、結局後工程の人がバタバタさせられるんだよな~
・正しい情報を伝えない
・後工程で必要な情報を渡さない(コード類を入力しない)
・情報を持ってるくせに、何故かギリギリまで懐で温めつづける

こんな状態だと、いくら良いシステムを入れても効率化はできません。

特に自動化が進めば進むほど、適当な情報を入力されるとダメージが大きくなります。自動化されていると手戻りも大きくなります。何のために自動化したのかわからなくなります。


前工程による、後工程への配慮が必要なんです。

「何で営業のエース(自称)である俺様が、そんな面倒なことしないといけないんだ」という態度の方もいらっしゃいます。

「それならガッツリ稼いでこいや」と言いたいのは置いておいて・・・
会社というところでは、自分が前工程に立ったり、後工程に立ったりするんですよ。お互い様なんですよ。

関連記事:

やる気のない人にはバスから降りてもらう

上記の文化醸成に馴染まない人・変わる気のない人は、もうバスから降りてもらうしかないんですよね。
厳しいけど、歳取ったらもう人は変われません

経営者の覚悟が必要です。
「あの人は○○の部分だけは能力があるからなぁ・・・」とかスケベ根性出してはダメなんですよ。

そういう中途半端なことしちゃうから、中途半端な結果になるんですよ。



いきなり、大層なシステム入れようとするから失敗するんですよね。
失敗するとトラウマになります。
次に何かやろうとすると「前に失敗したから・・・」と抵抗勢力に口実も与えてしまうんですよ。


上記の文化醸成には¥かからないですよ。
便利な無料ツールもたくさんあります。

文化が醸成され、少しずつでも社内の連携性が高まれば、効率アップするんですけどね~
システム導入はそれからでも遅くない。

まず文化からなんです。
そのベースがないと、何を上に乗っけてもダメです。砂上の楼閣。


まあ中小企業の経営者には、こんな地味な提案は届きませんけどね。

なんで経営者ってあんなに派手好きなんだろ・・・
「一発で全部解消!」なんて都合のいいことが世の中にあるわけがないと思うのですが・・・

あと、机上の空論のところだけやるんじゃなくて、やるなら最後までやりなさいよ。
「○○ていう製品入れることにしたから。面倒なところあとよろしく~」ですからね。
そんな楽な仕事ないだろ。俺がやりたいわ。
最後までできないなら、中途半端に首突っ込んでくるな。
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プロフィール
40過ぎて何とか結婚し、2015年末に子どもができた、左利き初老オヤジです。日本史を再勉強中。株、囲碁、鼻炎、眼振少々。中小企業ハッタリテキトー情シス(社内SE)。Access/ExcelVBAしか武器(?)はなし。情試はPM/SM/SA/NW。 ベンダーSEを数年やり、その後情シスに転職しました。 情シスでは中小企業ばかり3社見てきました。現職と前職ではひとり情シスです。 会社では「いないとヤバいが、評価はしない」という扱いです。 ノウハウを伝える相手もいないので、せっかくなので自分なりのコツを公開したいと思います。 同じような環境で苦労されている方のお役に立てればと思います。 「情シスの格を上げる」が目標です。 Twitterをフォローいただくと、ブログ更新時に通知されます。http://twitter.com/suiton_everyday よろしくお願いいたします。
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