忙しいから作れないのか、作れないから忙しいのか

ひとり情シスの仕事を引き継ぐとき、まともなマニュアルに一度もお目にかかったことがありません。

テキストファイルにベタ打ちしているのはまだマシなほうで、殴り書きの紙しかないこともあります。きっと書いた本人もわからないレベルです。

こんなメモでは、曖昧なところばかりで結局記憶に頼って作業をするので、仕事の精度が落ちることになります。

有用なマニュアルを作れないから、仕事が破綻し、情シスから逃げ出したのでしょう。

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プロの仕事

マニュアル作成は、社内SEだけではなく、スタッフ部門全般に求められることだと思います。
マニュアルがないと仕事の精度が下がり、周りの人が迷惑するのです。

メモを取るだけでなく、きちんとマニュアルの形にするまでがプロの仕事だと思います。
ひとり情シスはベンダーではありませんが、社内SEのプロです。

「すべて頭に入っている」「メモを取るのが苦手」と言ってマニュアル作成から逃げている時点でプロとして失格でしょう。

また複数の仕事が集中して、焦っているときほど精度が重要です。
そんな状況でも淡々と仕事をこなすのがプロだと思います。
マニュアルを見ながら、1つ1つ落ち着いて仕事を完了すると、心も落ち着いてきます。

昔、先輩に
「作ったマニュアルでその人の仕事のレベルがわかる」
と言われたことがあります。

マニュアル作成の目的

マニュアルを作成するのは以下の流れを作るためです。

  マニュアルを見ながら正確に、最短の時間で作業し、手戻りをなくす
                    ↓
  時間的余裕ができる
                    ↓
  その時間的余裕でマニュアル作成やブラッシュアップを行う
                    ↓
  ますます作業の精度が上がり時間的余裕ができる
                    ↓
  単純作業ではなく、もっと頭を使う仕事にエネルギーを注ぐ

マニュアル化した仕事には実はもう用はないのです。得るものが少ない仕事はさっさと終わらせるべきです。
そして、他のもっと複雑で、長期的な課題に取り組むべきです。

本当なら、そのマニュアルと一緒に、仕事を部下に渡してしまうのが良いのですが、ひとり情シスには無理な話ですね・・・

使えるマニュアルにする5つのコツ

①画像主体にする
画面のハードコピーを貼ったほうが文章による説明が少なくなり、ブラッシュアップも楽になります。

文章で書くと、
    ○○タブをクリックし、△△を選択し、□□ボタンをクリック
という内容も、
    3箇所を丸く囲んだ1枚の画像
で同じ表現ができます。


②1ページ1画面にする
差し替えや、画面の追加などがしやすくなります。

紙に印刷するときは複数ページを1枚に集約して、両面印刷すれば良いだけのことです。

ちなみに、私のPCセットアップマニュアルは300ページ以上あります。
画面を見ながらセットアップするので、紙には印刷していません。


③曖昧さをなくす
マニュアルで表現が曖昧になっていると、イライラします。作業が止まってしまい、却って足を引っ張られてしまいます。

判断が必要な場合は、漏れなく場合分けをして記載します。
イレギュラー処理もできるだけ盛り込み、子どもでも作業できるくらいのレベルを目指します。

私はインストーラーの画面で「次へ」しかなくても、画面1つ1つを取るようにしています。
マニュアルを作った当初は覚えているので問題ないのですが、時間が経って画面が飛んでいることに気づくと「抜けている途中で何かすべき処理があるのでは」と迷ってしまうのです。

こうして曖昧さをなくしていきます。


④画面キャプチャツールを使う
私はメモを取るのが苦にならないほうですが、それでもきっちりとしたマニュアルを作るとなると、面倒だな、と思います。

使いやすいツールがあると、マニュアルを作る気になります。

私は CaptureXP という画面キャプチャツールを使っています。
インストール不要で、ウインドウの範囲を自動認識してくれたり、タイマーを使えばドロップダウンリストも切り取れます。
XPとついていますが、以降のOSでも今のところ動いてくれます。

面倒なときは画面をどんどん取って、まずはPowerPointに貼っていくだけにしています。
時間のあるときに文章を追記して肉付けします。
画面だけでも取ってあると、あとでやる気が出るものです。


⑤こまめにブラッシュアップする
上記のマニュアル作成の目的にもある通り、ブラッシュアップを継続できるかどうかが、良い流れにできるかのカギになります。

更新ボリュームが少ないほうがやる気になります。気がついたら、すぐにブラッシュアップするのが大事です。
私は、ブラッシュアップを定期タスクとしています。こうすれば更新忘れがなくなります。

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マニュアル作成は、自分の仕事の整理の機会としても最適です。

頭でなんとなくわかっていても、いざ具体的にまとめようとすると、細かい部分の曖昧さに気づきます。

また作ったマニュアルは、退職時の引継ぎ書類としてもそのまま使えます(笑)

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