
情シスはIPアドレスの管理を避けられません。
クライアントはDHCPで運用していたとしても、
ルータやサーバ、プリンタなどには、固定でIPアドレスを振る必要があります。
もちろんDHCPのリース範囲も押さえておかなければなりません。
これはTCP/IPを知っているかどうかの問題ではありません。
情報をきちんと管理するかどうか、意思の問題です。
すいとんエブリディ@suiton_everyday
仕事の多くは意思の問題だ。技術的な問題ではない。
2018/01/26 12:27:23
裸足で千里の道に一歩を踏み出す勇気を持てるかどうか。最初から車や自転車はない。 #情シス #中小企業情シス #ひとり情シス
失敗例
前任者が残したIPアドレスの管理表です。
これまで私が情シス業務を引き継いだ際は、
このような形で管理していたケースがほとんどです。
管理とも言えないレベルですが、何も無いよりはマシというところでしょうか。
それにしてもセンスのないやり方です。どうりで会社から逃げ出すわけです。
一時が万事です。すべてにおいて情報を整理するセンスがないのです。
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私はこうしている
今の会社に来て、すぐにこの表を作り変えました。中小企業なら、プライベートアドレスで
クラスC(192.168.0.0 ~ 192.168.255.255)
を利用することが多い思います。
そうなると、各ネットワークで利用するIPアドレスは、254個になります。
例えば、192.168.1.1 ~ 192.168.1.254 の範囲を1拠点で使うことになります。
※192.168.1.0はネットワークアドレス、192.168.1.255はブロードキャストアドレスとなります。
中小企業なら、拠点数もそれほど多くないはずです。
例えば20拠点なら、192.168.1.0~192.168.20.0 くらいでしょうか。
私が今まで経験した会社では、全てこの範囲に収まっていました。
私は以下のような表で管理しています。

※内容はサンプルです。
ポイントは以下の通りです。
①各拠点(ネットワークアドレス)ごとにExcelのシートを作ります。
②シートの左上とシート名には、ネットワークアドレスを記載します。
③4オクテッド目のアドレス、1~254までの全ての値をシートの一番左の列に入力します。
④内容には、「ルータ」「サーバ」「プリンタ」などの内容とホスト名を書き込みます。
DHCPの範囲も書いておきます。
⑤ある範囲のIPアドレスの範囲を、他部署に任せている場合もあると思うので、
その場合は「管轄」の列に記載します。
ベンダーがルータを管理し、そこからDHCPでIPアドレスを払い出している場合、
管轄はベンダーということにし、ベンダー名を書いています。(上記画像の「A社」)
ホスト名の列を専用で作っても良いと思います。
資産管理台帳ではないので、私は敢えてシンプルにしています。
一見冗長に見えるが
上記の管理方法では、IPアドレスをずらーっと並べるなど、一見無駄が多いように見えます。しかし、この管理方法の長所は、空いているIPアドレスがすぐわかる、ということです。
例えばベンダーから
「東京ネットワークのIPアドレス4つ払いだして欲しい」
と言われても、すぐに空きがわかります。
IPアドレス管理の目的は、
・そのIPアドレスを使っているのか、いないのか
・どの範囲が大きく埋まっているのか、空いているのか
をすばやく知ることだと思います。
「IPアドレスが10個欲しい」と言われたが、どうも後で追加依頼が来そうだとします。
もし周囲が詰まっている範囲を払い出してしまうと、追加依頼が来たときに、最初のアドレス範囲と離れたIPアドレスを払い出さざるを得ません。
私の表ですと、ひと目で大きく空いている箇所がわかります。
失敗例のような表で管理をしていたとしても、空き番号を正確に知るには、
結局私の表のような書式に一度書き直して確認する必要があるのです。
冗長に見えますが、必要があるなら最初からその形にしておくほうが効率が良いと思います。
「IPアドレスが足りない!」と思っても、この書式で見ると意外とIPアドレス空いてるな~と感じると思います。
このIPアドレス管理の方法は、最初はシートをたくさん作ったりして大変ですが、
後のメンテナンスがラクなのでお勧めします。
もちろん、日常のメンテナンスも重要です。
サーバの導入やプリンタの入れ替えなどがあれば、すぐに修正をします。
修正しやすい書式になっていると思います。
まあ残念な人々はそれができないんですが・・・
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まあ中小企業では絶対に予算が回って来ない部分です。
今までの会社でそういったシステムが入ったことはありません。
しばらくは手作業で地道に管理するしかないようです。