
「無免許のF1レーサー」でずっと行ける?
ITの仕事をしていると「継続的な勉強が必要」とはよく言われることです。でもなかなか難しいですよね。
「経験があれば仕事できるんだからいいじゃないか」という考え方ももっともです。
経験なしで、勉強ばかりしている頭でっかちよりマシです。
ただ果たして経験だけで良いのか。
「無免許のF1レーサー」でずっと行けるのか。
例えば、仕事で峠越えの山道を毎日走っているとします。
以前は60分で走っていたのが、運転技術を磨き45分で走れるようになった。もちろん法定速度内でです。
でも知らない間に高速道路ができていて、10分で行けるようになっていた・・・
現実では高速道路に気づかないことはないですが、仕事では十分ありえる話です。
これが趣味のドライブの話なら何の問題もありません。運転自体を楽しんでいるのですから。
しかし仕事では、目的地に早く着かなければなりません。早くて悪いことは何も無いので。
部下や同僚がいれば、更に影響は大きいです。
その峠道しか知らないと、無理な運転を強いることになります。
経験と勉強は両輪
経験はもちろん大事です。でも仕事をしていると、どうしても行き詰まる時が来ます。
ラクではないけれど、何となく仕事は回っていて、目標が見えなくなる感じです。
ここでどうするか。
私は仕事で行き詰まり感が出たときや、目標を見失ったときは、勉強をすることにしています。
勉強をすると、
・バラバラの経験を体系化して整理する
・経験の理論的な裏づけを取る
・外の新たな知識で、経験を再定義する
などが可能になります。
行き詰まるということは、それなりに仕事ができるようになり、経験が踊り場に来た証拠と言えます。
勉強することで、成長の階段を一段上がれるのです。
社会人のキャリア形成において、勉強と経験は両輪だと考えています。
勉強のきっかけとしての資格試験
とはいえ具体的な目標もなく、ただ単に勉強だけをするのはなかなか難しいです。営業職の人と話すと、
分かりやすい資格のようなものがないので、モチベーションを維持するのが難しい、と悩んでいます。
転職しようにも、スキルを客観的に表現するのが難しいのです。
幸いなことに、ITは他の職種より資格試験モノが多いです。
客観的に自分の力を試したり、証明できたりする恵まれた環境にあります。
また、ひとり情シスは孤独なので、上司や周りから良くも悪くも正しい評価をもらえず、行き詰まり感が出やすいです。
そんなとき資格試験を目標にすると、自分を客観的に見る良い機会になります。
資格オタクになることはないですが、利用しない手はないと思います。
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勉強は公私どっちのリソースを使う?
勉強をする場合は、プライベートな時間を使う必要があります。研修などを除き、仕事中に本を読んで勉強するのはなかなか難しいと思います。
「仕事・会社のために、貴重な自分の時間やお金を使いたくない!」
という感情もあると思います。なんとなく気持ちはわかります。
でも、そんなケチな考えは捨てるべきです。
書店に行くと、つい仕事関係の本に目が行くことがあると思います。
「公」のために「私」の時間を使っているのです。
仕事をより良くしたいと思う人にとっては、それが普通です。
勉強もその延長ではないかと思っています。
またお金についてですが、
私は会社のお金で本を買うのは好きではありません。買って良いと言われても買いません。
自分のお金で買うと、選ぶのも読むのも真剣になります。
試験ならなおさらです。
落ちたら財布へのダメージが大きいので、緊張感が違います。
結局、会社のリソースを使うよりも費用対効果がいいのです。
勉強は、それ自体が目的ではなく、何かを得るのが目的です。
お金よりも時間のほうが大事です。
会社が千円出してくれるまで、その本を読まずに我慢するのかという話です。
待っていると情報の鮮度が落ちてしまいます。何十万円もするなら少し考えますが。
※ちなみに私は、ITコーディネータの講習に自腹で行きました。当時は約50万かかりました。
もちろん得たものは大きかったですが、今考えるとちょっとやりすぎた感もあります(笑)
でも一緒に講習を受けた方は、「『受講したい』と言い続けて、3年経ってやっと参加させてもらえた」と言っていました。3年待つ時間をどう捉えるかというところです。
プライベートのリソースを使って勉強すると、知識が確実に身につきます。
逆に仕事で得た知識が、プライベートに役立つこともちゃんとあります。
ちょっとスケールの小さい話ですが、私は会社移転の経験が、自分の引越しに役立っています。
準備作業などの手際や小道具などの点で、スムーズに進めることができました。
引越し経験で気づいたことが、また会社移転の仕事に役立つのです。
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自己投資などと堅苦しく考える必要はなく、
「公」と「私」が表裏一体でうまくつながれば良いと思っています。
以下は半分言い訳です(笑)
ITの勉強は疲れます。
歳を取ると、新しいことを積極的に覚えるのは辛いです。
ただ40代になると、知識の深さだけでなく、幅広さも求められてくる気がします。
最近私は、自然科学や歴史など、ITに直接関係のなさそうな本を読むようにしています。
全く別の視点が得られ、ITの仕事にに生きることを期待しています。
ビジネス書をしきりに読んでいた時期もありました。
ただ、どれも同じことが書いてあったり、「もうやってるよ」と感じることが多くなりました。
結局、読み返したいと思う数冊を除いて処分してしまいました。
あまり肩肘張らず、いろんな形で頭を柔らかくしておきたい、と今は思っています。
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