student-writing-on-paper_925x

「無免許のF1レーサー」でずっと行ける?

ITの仕事をしていると「継続的な勉強が必要」とはよく言われることです。
でもなかなか難しいですよね。


「経験があれば仕事できるんだからいいじゃないか」という考え方ももっともです。
経験なしで、勉強ばかりしている頭でっかちよりマシです。


ただ果たして経験だけで良いのか。
「無免許のF1レーサー」でずっと行けるのか。


例えば、仕事で峠越えの山道を毎日走っているとします。

以前は60分で走っていたのが、運転技術を磨き45分で走れるようになった。もちろん法定速度内でです。

でも知らない間に高速道路ができていて、10分で行けるようになっていた・・・


現実では高速道路に気づかないことはないですが、仕事では十分ありえる話です。

これが趣味のドライブの話なら何の問題もありません。運転自体を楽しんでいるのですから。

しかし仕事では、目的地に早く着かなければなりません。早くて悪いことは何も無いので。

部下や同僚がいれば、更に影響は大きいです。
その峠道しか知らないと、無理な運転を強いることになります。

経験と勉強は両輪

経験はもちろん大事です。

でも仕事をしていると、どうしても行き詰まる時が来ます。
ラクではないけれど、何となく仕事は回っていて、目標が見えなくなる感じです。


ここでどうするか。

私は仕事で行き詰まり感が出たときや、目標を見失ったときは、勉強をすることにしています。


勉強をすると、

・バラバラの経験を体系化して整理する
・経験の理論的な裏づけを取る
・外の新たな知識で、経験を再定義する

などが可能になります。


行き詰まるということは、それなりに仕事ができるようになり、経験が踊り場に来た証拠と言えます。
勉強することで、成長の階段を一段上がれるのです。

社会人のキャリア形成において、勉強と経験は両輪だと考えています。

勉強のきっかけとしての資格試験

とはいえ具体的な目標もなく、ただ単に勉強だけをするのはなかなか難しいです。

営業職の人と話すと、
分かりやすい資格のようなものがないので、モチベーションを維持するのが難しい、と悩んでいます。
転職しようにも、スキルを客観的に表現するのが難しいのです。


幸いなことに、ITは他の職種より資格試験モノが多いです。
客観的に自分の力を試したり、証明できたりする恵まれた環境にあります。

また、ひとり情シスは孤独なので、上司や周りから良くも悪くも正しい評価をもらえず、行き詰まり感が出やすいです。
そんなとき資格試験を目標にすると、自分を客観的に見る良い機会になります。

資格オタクになることはないですが、利用しない手はないと思います。

関連記事:

勉強は公私どっちのリソースを使う?

勉強をする場合は、プライベートな時間を使う必要があります。
研修などを除き、仕事中に本を読んで勉強するのはなかなか難しいと思います。


「仕事・会社のために、貴重な自分の時間やお金を使いたくない!」
という感情もあると思います。なんとなく気持ちはわかります。


でも、そんなケチな考えは捨てるべきです。


書店に行くと、つい仕事関係の本に目が行くことがあると思います。
「公」のために「私」の時間を使っているのです。

仕事をより良くしたいと思う人にとっては、それが普通です。
勉強もその延長ではないかと思っています。


またお金についてですが、
私は会社のお金で本を買うのは好きではありません。買って良いと言われても買いません。

自分のお金で買うと、選ぶのも読むのも真剣になります。
試験ならなおさらです。
落ちたら財布へのダメージが大きいので、緊張感が違います。


結局、会社のリソースを使うよりも費用対効果がいいのです。

勉強は、それ自体が目的ではなく、何かを得るのが目的です。

お金よりも時間のほうが大事です。
会社が千円出してくれるまで、その本を読まずに我慢するのかという話です。
待っていると情報の鮮度が落ちてしまいます。何十万円もするなら少し考えますが。

※ちなみに私は、ITコーディネータの講習に自腹で行きました。当時は約50万かかりました。
もちろん得たものは大きかったですが、今考えるとちょっとやりすぎた感もあります(笑)
でも一緒に講習を受けた方は、「『受講したい』と言い続けて、3年経ってやっと参加させてもらえた」と言っていました。3年待つ時間をどう捉えるかというところです。

プライベートのリソースを使って勉強すると、知識が確実に身につきます。


逆に仕事で得た知識が、プライベートに役立つこともちゃんとあります。

ちょっとスケールの小さい話ですが、私は会社移転の経験が、自分の引越しに役立っています。
準備作業などの手際や小道具などの点で、スムーズに進めることができました。

引越し経験で気づいたことが、また会社移転の仕事に役立つのです。

関連記事:


自己投資などと堅苦しく考える必要はなく、
「公」と「私」が表裏一体でうまくつながれば良いと思っています。



以下は半分言い訳です(笑)


ITの勉強は疲れます。
歳を取ると、新しいことを積極的に覚えるのは辛いです。


ただ40代になると、知識の深さだけでなく、幅広さも求められてくる気がします。

最近私は、自然科学や歴史など、ITに直接関係のなさそうな本を読むようにしています。
全く別の視点が得られ、ITの仕事にに生きることを期待しています。


ビジネス書をしきりに読んでいた時期もありました。
ただ、どれも同じことが書いてあったり、「もうやってるよ」と感じることが多くなりました。
結局、読み返したいと思う数冊を除いて処分してしまいました。


あまり肩肘張らず、いろんな形で頭を柔らかくしておきたい、と今は思っています。

関連記事: