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情報処理試験は受ける価値なし?

最近は情報処理試験の受験者数が減少傾向で、価値が下がってきてるようです。

でも、それはベンダーにとっての話なんだと思います。


情報処理試験の内容は、情シスには非常に向いていると思います。
情シスの仕事には、広くIT全般の知識が必要だからです。

受験のメリット

情報処理試験に受かるには、IT全般の体系的な知識が必要です。
ベンダーSEは、試験に受かっていなくても、経験からそれらの知識を備えています(ホントか?w)


情シスもそれと同じレベルの知識を押えておけば、ベンダーSEの思考パターンがわかるようになります。
そうすると仕事をベンダーに依頼する際、ハマりそうな箇所を予測できるようになります。

ハマりそうな箇所を予め確認するようになると、ベンダーへの牽制にもなります。
「手を抜けない」と思わせるのです。

試験に受かったら、ベンダーに言うもよし、あえて言わぬもよしです(笑)
私は言ったことはないのですが、どちらが効果あるのでしょうか?

いきなり高度でよし

情報処理試験を受けるとなると、基本情報受かって、応用情報にも受かって・・・という流れが普通に見えます。


しかし、これもベンダーの視点なんですよね。

情シスとしては、基本情報・応用情報はパスし、いきなり高度試験を受けて良いです。
ITサービスマネージャやプロジェクトマネージャは、十分情シスの仕事と関連があります。

せっかく取るなら、高度を取ってしまったほうが早いと思います。
さっさと受かって、情報処理試験からは卒業しましょう。


私は二種(現・基本情報)に受かり、一種(現・応用情報)に落ちましたが、
ネットワークスペシャリストに受かったので、結局一種は取らずじまいです。

ベテランこそ

高度試験は、ベテラン情シスこそ受けるべきだと思います。

午後Ⅰ、午後Ⅱは経験によるところが大きいのです。

午前は暗記物なので、久々に勉強すると大変なのですが、
過去問から全く同じ問題がたくさん出ます。選択肢の内容から正解の記号まで同じです。

IPAによる、記憶力が落ちたベテランへの救済措置としか思えないです(笑)


午前は常識レベルの知識を持っていれば良いので、
午後Ⅰ・午後Ⅱで勝負してくださいね、というIPAからのメッセージだと感じます。

でも論文がねぇ・・・

高度試験は論文も大変ですが、必ず良い経験になります。
仕事でも文章を書くことが多いですが、それが苦にならなくなります。


私は子どもの頃、作文が大の苦手でした。

でも高度試験の論文は全く別物です。むしろ論文が好きになりました。


論文を理由に挑戦しないのはもったいないと思います。

論文に苦手意識のある人が多いからこそ、合格の価値があるのです。
その点からも論文試験がある高度が狙い目と言えます。

高度試験対策の基本方針

高度試験を受ける際の勉強の優先度は、
午後Ⅱ > 午前 > 午後Ⅰ です。

仮に午前や午後Ⅰで不合格だったとしても、次回再度受験すれば合格する可能性はあります。
しかし、午後Ⅱは合格レベルの「A評価」を取らなければ絶対に合格はないのです。


午後Ⅱは、経験を知識の裏づけで論理的に表現できなければ落ちます。

本当の力が必要で、午前や午後Ⅰのように、運で通ることがありません。
よって、午後Ⅱを最優先にしました。


午前は暗記物なので、知っていないと正解できません。

午後Ⅰは仕事を普通にしていれば、常識の範囲内で答えられる内容と言えます。
短文で答える必要がありますが、午後Ⅱの勉強で手を動かしておけば、苦にならないでしょう。

ということで、午後Ⅰより午前の優先順位を高くしました。

午前対策

足切りを回避することを目指します。

60点が足切りラインですが、満点を取る必要はありません。ギリギリでも通過は通過です。
できれば最小限の労力でやりたいところです。ただ足元だけはすくわれないように。


上でも書きましたが、
以前と全く同じ問題が出ますので、他の試験区分も含め過去問をたくさんやるべきです。


注意点としては、午前の勉強で力尽きないようにすることです。

午後Ⅱと比較すると、ある意味楽な種類の勉強です。
時間もいくらでもかけられます。
それによって勉強をやった気になってしまうのが怖いのです。

午後Ⅰ対策

午前と同様、最小限の労力で、足切り回避を目指しますが、
その前に久しぶりに手で文字を書くので、ウォーミングアップが必要だと私は考えています。

試験勉強開始と同時に、午後Ⅱのような長い文章をいきなり書くのは辛いです。
まずはリハビリ的に文章を書く練習として、午後Ⅰの勉強をやると良いのです。


のちに午後Ⅱ対策を本格的に開始し、時間に余裕がない場合は午後Ⅰの勉強は停止して良いです。
午後Ⅰは常識的な判断で答えれられる問題が多いからです。


解答時のポイントは、

・根拠を明確に
・飛躍しすぎない
・見直しを丁寧に

です。


国語の問題を解く感覚です。答えの根拠は必ず問題文の中にあります。

「システム的に考えるとこうだろう」と発想を飛躍させると失点します。
シンプルに考えたほうが良いのです。

午後Ⅱ対策

論文は大変ですが、高度では絶対に避けて通れません。腹を括りましょう。


以下ポイントを書きます。

(1)論文のテーマは技術的にレベルが低くても良い
技術的にレベルが高い内容を、背伸びして書く必要はありません。
ITサービスマネージャなら、ITサービスマネージャらしい基本思想を盛り込んでいれば良いのです。

私はシステム管理(現・ITサービスマネージャ)試験では、
各拠点にあった基幹業務用PCのバックアップ/リカバリの話を書きました。
技術的にはピアツーピアのイメージバックアップで、低いレベルの話です。


あらすじとしては、

  ・レガシーシステムから脱却すれば、各拠点でデータを持たなくて済むが、会社にその意思が無い。
  ・PC老朽化でHDDのトラブルが頻発している。早急に何か手を打つ必要がある。
  ・予算がなかったので、購入済みのイメージバックアップソフトを利用した。
  ・トラブル解消に1週間かかっていたのが、翌日には復旧可能になった。

のような感じで書きました。


(2)解答は各設問で問われていることだけ書く
論文の問題は、ほぼ設問ア・設問イ・設問ウの3つに分かれています。

  ・設問ア:概要・課題
  ・設問イ:対策
  ・設問ウ:評価・改善
について書くことが多いです。


その際、各解答は設問で問われていることだけについて書きます。

例えば、対策には評価・改善の要素を盛り込まないようにします。
対策のことだけに徹して淡々と書きます。

どうしても他の要素が混ざってしまいがちですので、注意が必要です。


この訓練をすると、いかに普段の仕事でも、
課題・対策・評価をごちゃまぜに考えているかがわかります。


(3)最低字数は必ずクリアする
論文の最低字数は必ずクリアするようにしましょう。
字数が足りないと採点されない可能性があります。

せっかく良い内容の論文なのに、
ちょっと字数が足りないだけで落ちてしまったらもったいないのです。

私はいつも最後殴り書きになってしまい、試験官には申し訳ないのですが、
意地でも字数だけは必ずクリアするようにしています。


(4)生々しく書く
ネタは、自分の経験を生々しく書くことが大事だと思います。情シスらしい現場目線で良いです。
教科書のキーワードをつぎはぎしたような、抽象的な話では絶対に受かりません。


試験官は何本ものつまらない論文を読まされています。

途中で読むのをやめている論文もあると思います。もちろんそれは不合格です。
読んでいて、現場が目に浮かぶ面白い話のほうが、最後まで読んでもらえます。


課題があって、その解決のためにどう考えて、どう行動したのか。その結果どうだったのか。
それを経営者や社内ユーザからの、生の言葉やリアクションを織り交ぜつつ書くのです。

「経営者が『やれ』と言ったから、採算度外視で対応した」
は教科書の理屈を吹っ飛ばす説得力なのです。


普段言われている理不尽な言葉なども盛り込むと、生々しくて良いです(笑)

ベンダー受験者との大きな差別化にもなると思います。
ベンダーの人と情シスは考え方が全然違いますから。

関連記事:


(5)論文は屁理屈
私は論文は屁理屈だと思うようになってから気が楽になりました。

自分の主張したいことについて、屁理屈をこねて読み手を納得させれば良いのです。


ボトムアップ思考で数多くの事実を積み重ねると、
何かの主題が自然に浮かび上がってくるのではありません。


書き方はボトムアップで良いのですが、発想はトップダウンです。
自分の言いたいことがあり、それに必要な事実を集め、ITの知識を使って
それっぽく表現するのが論文です。



長くなったので、次回に続きます。