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どんな仕事もそうだと思うのですが、中小企業の情シス仕事には向き不向きがある気がします。

前の会社の上司は私が中途入社した半年後に逃げ、今の会社の前任者は私が入った時には既に逃げた後でした。
前任者の行動や彼らが残したものについて考えてみると、共通する点がいくつかあります
同じようなことをやっているのです。

彼らはそのせいで逃げざるを得なかったのではないか。
もしかするとそれらは、中小企業情シスに向いていない人の特性なのではないかと思います。

今日はその特性について、反面教師的に述べてみたいと思います。

記録を残さない

例えば何かのシステム・サービスを導入しても、きちんと導入時の記録を残していないのです。

私が後から入って見てみると、同じ機能なのではないかと思うサービスが導入されていることがあります。重複しているのです。
どちらかはやめても良いはずなのですが、記録がないのでそもそもの導入目的がわからないのです。

後から来た者としては、こういうものの撤収は難しいです。
無駄だからやめてしまいたいと思っても、記録がないので影響範囲も良くわかりません。
見切り発車でやめてしまうと、思わぬところで障害が起きる可能性があります。
情シスとしては怖いので二の足を踏んでしまいます。

仕方がないので、少しずつ調査をして問題が無いことを確認してから、やめるしかありません。
スピードも出ませんし、その間余計な費用がかかり続けます。

記録を残すのは、他人のためではありません。自分のためです。
もし記録がないと、後でどんな困ったことが起きるか、残念な前任者は想像ができなかったのだと思います。

だからそういう人は常にハマっています。毎回同じ失敗を繰り返しているのです。
そうしているうちに情シス仕事が嫌になるのです。自業自得です。

持続力がない

これは上記の「記録を残さない」と関連があります。

きちんと記録に残すというのは、持続力が必要です。
気が向いたときだけやっても意味がないのです。

トラブルが重なるなどすると、ついつい記録が疎かになります。
障害が解消した後に記録しようと思っても、面倒になったり、忘れてしまいます。
絶対に記録する、という強い意志を持ち続ける必要があるのです。

エンドユーザへのアナウンスや啓蒙もそうです。
セキュリティに関することなどは、しつこいと言われるくらいアナウンスが必要です。

言うほうが忘れてしまったらそれまでなのです。
エンドユーザは「最近アナウンスが無いけど、やっぱりいつものように忘れてしまったんだな」と思います。
そこには軽い軽蔑も含まれます。それが、情シス軽視につながって行くのです。

前任者が残した資料などを見ると、たいそうな書式で、非常に細かい記録まで残せるように作ってあるのですが、2~3件しか入力されていないことが多々あります。
複雑にしすぎて記録できなかったのでしょう。

続けられるような仕組みを考えるのが大事だと思うのですが・・・

整理整頓できない

まず整理整頓以前に、スケベ根性で物を捨てられません。
「後で使うかもしれない」とガラクタばかり集めます。ゴミ屋敷状態です。
私は転職すると、まず余計なものを捨てることから始めます。

物が多いと、探すのに時間がかかります。
探すことが目的ではなく、探したもので何かをするのが真の目的であるはずです。
検索対象は少ないに限るのです。

整理整頓とは捨てることにあると思います。
数を減らしておけば、自然と整理整頓につながっていくのです。

物理的な面だけではなく、論理的にも同様です。
残念な人は、ファイルをきちんとフォルダに分けて整理できないです。
いろんなフォルダに同じファイルが散らばっています。
カテゴリ分けがきちんとできないのです。

きっと頭の中もきちんと整理できていなかったのでしょう。
だから仕事ができないのです。

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社内SEは捨てるのが仕事

開き直り・割り切りができない


前社の上司は、上を異様に怖がっていました。裏で舌を出す余裕もないくらいです。普通では無かったです。(確かにトップは鬼のように怖かったですがw)
私も上司とのコミュニケーションは苦手ですが、その私から見ても異常でした。
青い顔で冷や汗をかき、直立不動で、見ている方が辛いくらいでした。
トップもそういう態度が逆に気に食わないらしく、よく怒鳴っていました。
そしてまた萎縮する。悪循環です。

私は会社の役職は機能だと思っています。社長であってもそうです。
上の役職だからと言って、人間として上なのかどうかは分かりませんし。

だから判断すべき機能の人がきちんと判断しなかったり、こちらに判断を求めてくると腹が立ちます(意見は求められて良いのですが)。
難しい判断をするから、高い給料もらってるんだろうと言いたいです。
こちらに判断をさせるなら、役職や給料をを上げるなど、先立つものが必要というものでしょう。
(情シスは難しい判断ばかりさせられるが、評価はされないという、経営者にとっては非常に都合の良い機能ですよね)

特に中小企業の管理職はレベルが低いです。
斜め上(他部門の管理職)から、担当者レベルに直接作業などを依頼してくることばかりです。大きな会社ではありえないことでしょう。

ちなみに私は、中小企業の役職は一般的な世間のイメージの2階級下くらいで考えています。部長なら係長格とみなします(笑)
実際に話すと、本当にその程度のレベルの話しかしてきません。ゴリ押しするときも、自部署のためならまだしも、自分のためだけに話を通そうとしてきます。

彼らも気の毒なのです。中小企業ではまともな管理職研修などありません。全社的な視点など身につけられないのです。
前社では、営業課長がおいしい仕事ばかり先に選び、残りの面倒な仕事は部下に丸投げというのもいました。当然部下は不満が溜まり、辞めていきます。
営業課長も営業課長ですが、それを見抜けないそいつの上役も同罪です。結局、同じレベルなのです。

前置きが長くなりましたが、所詮上司など機能の1つであり、大したことはないと割り切れば良いのです。相手が社長であってもです。
どうも情シスセンスのない人たちは、相手に役職がついているだけで、「ははーっ」とひれ伏してしまうのです。

上記は一例です。一事が万事、すべてのことでそういった思い込みにとらわれて、開き直ることができないのです。

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メリハリがない

ダラダラダラダラと仕事をする傾向があります。

前社の上司は基幹システムの入替で忙しいときに、
「体が頑丈なので、倒れたくても倒れないんだよね。倒れたいんだけど・・・」
と全く意味不明なことを私に言っていました。
仕事を手伝っていた私に何を言って欲しかったのでしょうか。「大変ですね」が正解だったのか。

彼は椅子に座るときにいつもため息をついていました。
「ハァ~」とかかわいいものではありません。うまく表現ができませんが「グェー」という感じです。
見苦しいのです。だからダメなのです。

休みたければ休めば良いのです。
私はその上司の後を1人で引き継ぎましたが、残業はほとんどしませんでしたし、有休も定期的に取れていました。



批判ばかりしてきましたが、悪いところばかりではないのです。
非常にまじめな人が多いと思います。

前社の上司は、私をもっと利用して、組織として成果を上げれば良かったのにと残念に思います。


それを象徴する思い出があります。

ある時、基幹システム関係のツールを作ってくれと頼まれました。「忙しくてまだ着手できてないんだ」と。
私はAccessでツールを作りました。

彼が退職した後に、ファイルサーバの中を整理していたら、ほんのさわりだけ作ったAccessのファイルが出てきました。
ファイルを開くと、恐らくすぐに作るのを諦めてしまったことがわかりました。

それがわかった時には、ため息が出ました。
少しでも仕様を教えてくれれば、私はもっと早く作れたかもしれないのに。


そういう高いプライドだけは無駄に持っていたのです。
そのプライドを仕事に生かせば良かったのに。

無駄に高いプライドも、中小企業情シスに向かない性質だと思います。

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