
まず対症療法、その後原因療法のアプローチ
トラブルの際に「うーん」と脂汗を流して悩んでいても誰も評価してくれません。
まずは止まっている業務を再開させる。どんな泥臭い手段を使ってでもです。
エンドユーザとしてはそれで良いのです。喉もと過ぎればなんとやらというところもありますが。
応急処置さえしてしまえば、「原因の調査は後日」と言っても文句は出ません。むしろ感謝されるのです。
業務が止まっている時間が長くなると、ハードルがどんどん上がって行きます。
いかに対症療法をスムーズに行って、原因療法までの時間を稼ぐかがポイントです。
ただ、いつも対症療法がすぐ見つかるわけではありません。
そんなときは経過報告が重要となります。待たされるほうはこちらが思う以上にイライラしてしまうのです。
そんなときは経過報告が重要となります。待たされるほうはこちらが思う以上にイライラしてしまうのです。
ベンダーの方は本当に途中の報告を自分からはしてくれませんね。
「12:00~13:00の昼休み中、システムが停止する旨のアナウンスをしましたよ」とこちらが言うと、12:55まで何もこちらに経過報告もなく、作業をするような人がいます。
こちらが「どうなってますか?」声を掛けてやっと、ぼそぼそと状況について話し始めるのです。
こちらが「どうなってますか?」声を掛けてやっと、ぼそぼそと状況について話し始めるのです。
12:55まで作業をされてしまうと、システム起動後に社内SEが動作確認することもできません。
結局エンドユーザがシステムを使えるのは、約束の13:00を過ぎてからになります。
または、動作確認しないで利用させるかですが、もし障害が残っていれば、またシステムが使えなくなります。
どちらにしても社内SEの面目丸つぶれです。
どちらにしても社内SEの面目丸つぶれです。
ベンダーSEとしては、「どうせ何もわかってないエンドユーザなんて待たせればいいんだ」という感覚なのでしょうか。他の業界では考えられない発想だと思います。
こちらとしては「またうちの社内SEは約束を破った」という印象を持たれることが怖いのです。次回以降、いろいろ物事を進めづらくなります。仕事は1回きりじゃないのです。
ベンダーSEさんには少しはこちらの立場も考えて、足を引っ張らないようにして欲しいのですが・・・
原因療法もどう考えるかというところがあります。
システムを使って一発で解決というわけには行かないこともあります。
100件1000件のデータを地道に手で処理する必要があったりします。
ためらいなくそれに着手できるか、も大事です。
それは技術の問題ではありません。意志の問題です。
1000件あっても毎日50件やれば、1ヶ月で終わります。
そう前向きに考えられるか。
何かの本で読んだ、「プールの水をスプーンでかき出す勇気」が必要になります。
最初からポンプはありません。
でも地道な作業にしか見えてこないものもあるのです。
こつこつと改善を続けているうちに気が付くと、
手に持っていたスプーンがひしゃくになり、バケツになり、ポンプになっているのです。
手に持っていたスプーンがひしゃくになり、バケツになり、ポンプになっているのです。
以前、ウイルス定義ファイルを社内PCに配布するサーバの調子が悪くなり、配信ができなくなりました。
ベンダーに相談しても、「再構築」の一点張りです。まだリース期間中ですから、当然対応する費用はないのです。
ベンダーはそこで思考停止。そのまま時間だけが過ぎて行きました。
サーバをいろいろ調べると、あるサービスが一定時間で落ちてしまうことに気づきました。
サービスを手動で開始しても、しばらくするとまた落ちる。
何でサービスが落ちるのだろうと色々調べているうちに、サービスを再開して一定時間、一部PCに最新のウイルス定義ファイルが配信されていることに気づきました。
そこでサービスを再起動するバッチファイルを作成し、定期的にタスクで実行するよう設定したところ、全社PCにウイルス定義ファイルの配信ができるようになりました。
サーバの残りリース期間はこの運用で乗り切りました。
ベンダーSEとしては失格の発想かもしれませんが、
社内SEとしてはウイルス対策定義が配布できればなんでも良いのです。
社内SEとしてはウイルス対策定義が配布できればなんでも良いのです。
対象療法を地道にやっていると、原因療法に至ることがあります。
ベンダーSEさんは現象を見ずに、すぐに原因療法に行こうとしますね。
で、すぐ「できない」と諦める。
で、すぐ「できない」と諦める。
そんなショートカットはめったにないものなんですよ。
社内SEだと諦めるわけにはいかないんですよ。目の前の問題が消えるわけではないのですから。
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会計の最低限の知識
以前少し書いたことがありますが、
私は経済学部に入学したにも関わらず、会計から逃げ続けました。
私は経済学部に入学したにも関わらず、会計から逃げ続けました。
会社に入ってからも、ベンダーSEの頃は「勘定科目」とか「売掛金」という言葉を聞くのも嫌でした。
でも社内SEになってからは、もう逃げることはできませんでした。
直接会計システムを扱わなくとも、社内SEは経理部門と近いところで仕事をします。
会計の知識が少しでもあれば、話がスムーズに通るのです。
特に情シスの予算を扱うなら、会計の部分は避けて通れません。
私は結局簿記3級を取りましたが、今思うと、あんなに会計のことを恐れることはなかったな、と思います。
遠巻きに見ていると高い壁に見えますが、いざ中に入ってみると、大した壁ではないのです。
何故あんなに恐れていたのか。
たぶん仕事というものに真正面から向き合うのが怖かったのだと思います。
会計はすべてはっきりと¥で結果が出ます。そういった厳しい現実から目を背けていたのです。
SEである自分の仕事ではない、と言い訳をしながら。青かったです・・・
でもやはり仕事は最後は¥なのです。
まさかこんなところにやりがいがあるとは思いもしませんでした。