中小企業情シス稼業

2社連続で中小企業ひとり情シスやっています。 同じ境遇の方のお役に立てればと思います。

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2017年02月

情シスでわかりやすく効率化するにはプログラミングしかない!

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「Access?あんなのおもちゃでしょ」

どんな言語・アプリでも良いので、実践的なツールが作れると、非常に強力な武器になります。

Excelピボットテーブル・Excelマクロ・Accessで十分です。
細かくはいずれ別に書きたいと思います。


転職で面接に行くと「ハァ?Access?あんなのおもちゃでしょ」とベンダーからはもちろん、情シスからも鼻で笑われます。

「じゃああんたまともに使えんのか」と言いたいです。次に機会があったら聞いてみたいと思います。

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Accessは別にして、今やExcelはほとんどのPCに入っているソフトです。追加投資しなくて済むなら使い倒すべきでしょう。
ユーザも多いので、困ったときに情報もたくさんみつかります。
 

ひとり情シスにとっては、予算や開発期間が長い大掛かりなツールより、小さくてもちゃんと動くツールのほうが役に立ちます。
とにかく少しでもいいから、今すぐ効果が出て欲しいのです。
その辺り、ベンダーにはなかなか伝わりません。

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仕事の属人化の問題はありますが、ひとり情シスとしては知ったことではありません。
経営者が考えるべき問題です。

ひとり情シスが仕事を回すための1つの答えが、プログラミングによるツール作成なのです。

1000倍のスピードを狙う 


1000倍というと、夢のような数字に思われるかもしれません。
でも十分現実的な値です。

20分は1200秒です。20分かかっていた作業が、コンピュータに置き換えて1秒で終わるのは十分ありえる話だと思います。

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ただしツールを作ると、処理の前後にオーバーヘッドが発生することに注意が必要です。

処理前には、CSVなどのデータ準備が必要ですし、処理後には、検算などの結果チェックがあります。
前後それぞれ5分かかったとすると、20分の作業は実質的には10分程度効率化できたということになります。


ツール作成に限りません。
システム導入による効率化については、前後の作業時間も考慮に入れなければいけません。

逆に言えば、純粋な作業部分だけで1000倍くらいの効率化ができなければ、システム導入の効果が出ない、と私は考えています。


例えば、東京から大阪に行くのに、
 「東京から名古屋まで新幹線で行き、名古屋からは徒歩で大阪まで行く」
人はいないと思うのですが、
システム導入ではそれにあたるような手段を選択していることが往々にしてあります。
それなら、東京からずっと自動車に乗って大阪に行った方が良いのです。

特にベンダーが持ってくる一見すごそうな話には、
こういった罠が仕掛けられていることが多いので、注意が必要です。

小さな効率化を積み重ねる

上記で稼いだような10分の効率化を他の業務でも行い、地道に積み重ねていきます。

いきなり3時間も4時間も効率化できることはまずありません。
そんな効率化は、もうやり尽くされているか、もし実現したなら、測定方法が怪しいと思います。


自動化すべきは、
    ①コピペなどの転記
    ②マスタなどのリスト参照
    ③検算・突き合わせ
    ④集計
の作業です。

一気通貫で最終形までもって行くツールでなくても良いのです。中間的なデータを作るだけでも、十分効率化になります。


作成したツールは気がついたらどんどん改良します。自分のツールなので好きなようにできます。
漆を塗り重ねるように、うなぎのタレを継ぎ足すようにです。

この積み重ねが経験値となります。

かゆいところに手が届く感じは、基幹システムのベンダーSEにはなかなか発想できない部分だと思います。
便利だと思う機能は、基幹システムなどに実装するネタになります。

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皆に使ってもらおう!?

私は作ったツールは、確実に動く小さいもの以外はなるべく社内に公開しないようにしています。

こちらは親切心でツールを渡しているのに、
自分の操作ミスを棚に上げて「動かないんだけど」とクレームを入れられたことが何度もあり、
その苦い思い出があるからです。


そういうユーザばかりですので、ツールの出力結果のみを提供するようになりました。
意地悪でそうしているのではなく、お互いのためです。


自分用のツールとして、スピード重視で開発しているので、
いろいろなところに不備があるのは仕方がないことです。
ユーザ様からお金をいただいた製品ではないので、文句を言われる筋合いはありません。


そもそもそういうところに理解があれば、ひとり情シスにはなっていないのかもしれませんが。

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ひとり情シスの苛酷な状況は、もう手作業でどうにかなるレベルではありません。

私はプログラムで自動化せざるを得ませんでした。
過去に少しだけプログラムをかじっていたことで助かりました。


リソースの無い中小企業ひとり情シスは、スピードで勝負するしかありません。

プログラムはそのために是非使いたい武器の1つです。

情シス必須ノウハウ!マニュアル作成は超重要


忙しいから作れないのか、作れないから忙しいのか

ひとり情シスの仕事を引き継ぐとき、まともなマニュアルに一度もお目にかかったことがありません。

テキストファイルにベタ打ちしているのはまだマシなほうで、殴り書きの紙しかないこともあります。きっと書いた本人もわからないレベルです。

こんなメモでは、曖昧なところばかりで結局記憶に頼って作業をするので、仕事の精度が落ちることになります。

有用なマニュアルを作れないから、仕事が破綻し、情シスから逃げ出したのでしょう。

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プロの仕事

マニュアル作成は、社内SEだけではなく、スタッフ部門全般に求められることだと思います。
マニュアルがないと仕事の精度が下がり、周りの人が迷惑するのです。

メモを取るだけでなく、きちんとマニュアルの形にするまでがプロの仕事だと思います。
ひとり情シスはベンダーではありませんが、社内SEのプロです。

「すべて頭に入っている」「メモを取るのが苦手」と言ってマニュアル作成から逃げている時点でプロとして失格でしょう。

また複数の仕事が集中して、焦っているときほど精度が重要です。
そんな状況でも淡々と仕事をこなすのがプロだと思います。
マニュアルを見ながら、1つ1つ落ち着いて仕事を完了すると、心も落ち着いてきます。

昔、先輩に
「作ったマニュアルでその人の仕事のレベルがわかる」
と言われたことがあります。

マニュアル作成の目的

マニュアルを作成するのは以下の流れを作るためです。

  マニュアルを見ながら正確に、最短の時間で作業し、手戻りをなくす
                    ↓
  時間的余裕ができる
                    ↓
  その時間的余裕でマニュアル作成やブラッシュアップを行う
                    ↓
  ますます作業の精度が上がり時間的余裕ができる
                    ↓
  単純作業ではなく、もっと頭を使う仕事にエネルギーを注ぐ

マニュアル化した仕事には実はもう用はないのです。得るものが少ない仕事はさっさと終わらせるべきです。
そして、他のもっと複雑で、長期的な課題に取り組むべきです。

本当なら、そのマニュアルと一緒に、仕事を部下に渡してしまうのが良いのですが、ひとり情シスには無理な話ですね・・・

使えるマニュアルにする5つのコツ

①画像主体にする
画面のハードコピーを貼ったほうが文章による説明が少なくなり、ブラッシュアップも楽になります。

文章で書くと、
    ○○タブをクリックし、△△を選択し、□□ボタンをクリック
という内容も、
    3箇所を丸く囲んだ1枚の画像
で同じ表現ができます。


②1ページ1画面にする
差し替えや、画面の追加などがしやすくなります。

紙に印刷するときは複数ページを1枚に集約して、両面印刷すれば良いだけのことです。

ちなみに、私のPCセットアップマニュアルは300ページ以上あります。
画面を見ながらセットアップするので、紙には印刷していません。


③曖昧さをなくす
マニュアルで表現が曖昧になっていると、イライラします。作業が止まってしまい、却って足を引っ張られてしまいます。

判断が必要な場合は、漏れなく場合分けをして記載します。
イレギュラー処理もできるだけ盛り込み、子どもでも作業できるくらいのレベルを目指します。

私はインストーラーの画面で「次へ」しかなくても、画面1つ1つを取るようにしています。
マニュアルを作った当初は覚えているので問題ないのですが、時間が経って画面が飛んでいることに気づくと「抜けている途中で何かすべき処理があるのでは」と迷ってしまうのです。

こうして曖昧さをなくしていきます。


④画面キャプチャツールを使う
私はメモを取るのが苦にならないほうですが、それでもきっちりとしたマニュアルを作るとなると、面倒だな、と思います。

使いやすいツールがあると、マニュアルを作る気になります。

私は CaptureXP という画面キャプチャツールを使っています。
インストール不要で、ウインドウの範囲を自動認識してくれたり、タイマーを使えばドロップダウンリストも切り取れます。
XPとついていますが、以降のOSでも今のところ動いてくれます。

面倒なときは画面をどんどん取って、まずはPowerPointに貼っていくだけにしています。
時間のあるときに文章を追記して肉付けします。
画面だけでも取ってあると、あとでやる気が出るものです。


⑤こまめにブラッシュアップする
上記のマニュアル作成の目的にもある通り、ブラッシュアップを継続できるかどうかが、良い流れにできるかのカギになります。

更新ボリュームが少ないほうがやる気になります。気がついたら、すぐにブラッシュアップするのが大事です。
私は、ブラッシュアップを定期タスクとしています。こうすれば更新忘れがなくなります。

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マニュアル作成は、自分の仕事の整理の機会としても最適です。

頭でなんとなくわかっていても、いざ具体的にまとめようとすると、細かい部分の曖昧さに気づきます。

また作ったマニュアルは、退職時の引継ぎ書類としてもそのまま使えます(笑)

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情シス必須ノウハウ!タスク管理方法

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定期・不定期にやってくるさまざまな仕事

情シスには大小さまざまな仕事が集まってきます。

すぐに終わるルーティン作業から、突然の技術的な障害対応まであります。
何故か同時に複数の仕事が集中することが多いです。


これらの仕事をやり忘れるのが最悪です。

何かユーザから依頼されたことを忘れた場合、
「あの人には言ってもやってくれない」と信頼関係が崩れます。

信頼関係が崩れると、情シスの社内での格が落ちます。
面と向かって文句を言われなくてもです。
こちらからユーザに何かを頼んでも、動いてくれなくなります。


いろんな方向から不意にやってくる仕事を、確実に捕捉する必要があります。
(やる・やらない、優先順位は別の話です)

忘れてはいけない未来の仕事

今すぐやる仕事の場合は、すぐに着手すればその場は凌げるのですが、
未来の仕事の管理はやっかいです。


例えば、来週金曜日にやらなければならない仕事があるとします。
「○○の仕事をやらなきゃ」と意識しつづけるストレスは想像以上に大きいです。
付箋などに書いて貼っておいても、つい目に入ってしまい、そちらに気が行ってしまいます。

さまざまな仕事の予定を意識し続けているだけで、脳は疲れてしまうのです。

本来、その仕事の準備が終われば、前日の木曜日くらいまでは、
「明日の金曜日に仕事がある」ということ自体、忘れていても良いのです。
ずっと意識し続けておく必要はありません。


ただ当日になったら、その仕事のことを確実に思い出す必要があります。

タスク管理はひとり情シス必須ノウハウ

タスク管理は、目の前の仕事に集中して確実に完了させるための、情シス必須のノウハウです。

その実践には、タスクを自分の脳の代わりに覚えていてくれる、
秘書的役割のツールが必要です。紙でも何でも良いです。


私はAccessで以下のようなツールを作って管理しています。
(内容のレベルが低いので、公開するのは恥ずかしいのですが・・・)
 タスク管理1タスク管理2
一覧とそのうちの1つのタスクの詳細です。 柔軟性を持たせるため、手入力がたくさんできるようにしてあります。
非常にシンプルな作りとなっています。


ツールを使う際の基本的な流れは、

・毎朝、今日やるべきタスクを確認し、優先順位をつけて実行していきます。

・各タスクが終わったら、ステータスを「完了」にします。
 繰り返しの仕事は、ステータスは「監視中」のままで、期限を未来に再設定します。

・新しい仕事がやってきたら、その都度必ず期限を明らかにして入力します。

・もし今日やるべき仕事がすべて終わり、余裕があったら、
 明日以降の仕事で、できそうなものに着手します。

のようになります。


ツールは、履歴管理の役割も持っています。

終わったタスクは手順を記録しておきます。
後で同様のタスクが来たときには、キーワードで検索して対応できます。

ハマった部分も記載してあるので、同じことで2度ハマることはありません。
2度目以降は完了までのスピードが格段にアップします。


作業だけではなく、調査したいことや検証すべきこと、情シスの課題など、
気になることを思いついたらすぐ入力します。
「後で入力しよう」と思っていると忘れてしまうものです。さっきまであれほど覚えていたのに。
これほど悔しいことはないので、まずは入力する癖をつけることが大事です。


時間ができたときになって初めて「何をしよう」と考えるのではなく、ネタを常にストックしておくことが重要です。
経営者から突然「システム関係の課題についてまとめて報告しろ」と言われても慌てなくて済みます。

時間のあるときに何気なく調べておいたことで、後々助かったことが何度もあります。


ツールを使って過去・現在・未来の自分をフル活用するイメージです。


ツールはExcelなどでも十分と思います。
無料のクラウドサービスだと、Wunderlist が良いと思います。
【Wunderlist】
https://www.wunderlist.com/ja/

タスク管理の本当の目的

タスク管理をするのは、単に仕事のコントロールのためだけではありません。

ツールを使ってタスク管理するとわかるのですが、
今日やるべきことが終わったら、明日の仕事を先取りしてやりたくなります。

そうすると、先手を打てるようになります。
先手を打つときは時間的余裕があるので、仕事の詳細について、冷静にじっくり考えることができます。

    先手を打って、失敗の確率を下げる
                ↓
    時間的余裕ができる
                ↓
    さらに先手を打つ
                ↓
    ますます時間的余裕ができる
                ↓
    長期的な、大きなテーマに着手できる

この流れを作るのが、タスク管理の本当の目的です。



私はベンダーSEのときは、同時に2つくらいのタスクしかできませんでした。

情シスになってからはタスク5、6個は並行でこなすことができるようになりました。
必要に迫られてのことでした。


上記のノウハウを得なければ、私はとっくにひとり情シスから脱落していたと思います。

タスク管理はどの会社でも必要な能力です。
自分なりの必勝法を確立しておけば、どこに行っても役に立つと思っています。
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プロフィール
40過ぎて何とか結婚し、2015年末に子どもができた、左利き初老オヤジです。日本史を再勉強中。株、囲碁、鼻炎、眼振少々。中小企業ハッタリテキトー情シス(社内SE)。Access/ExcelVBAしか武器(?)はなし。情試はPM/SM/SA/NW。 ベンダーSEを数年やり、その後情シスに転職しました。 情シスでは中小企業ばかり3社見てきました。現職と前職ではひとり情シスです。 会社では「いないとヤバいが、評価はしない」という扱いです。 ノウハウを伝える相手もいないので、せっかくなので自分なりのコツを公開したいと思います。 同じような環境で苦労されている方のお役に立てればと思います。 「情シスの格を上げる」が目標です。 Twitterをフォローいただくと、ブログ更新時に通知されます。http://twitter.com/suiton_everyday よろしくお願いいたします。
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