情シスが嫌がるシステム導入の仕方は、
です。
最近、情シスは予算がないので、ベンダーは、
ただITベンダーは下手なんだな。そういう層に直接食い込むのが。
会話が成り立たないんだろうな。
こちらは絶対に忘れないので、その次はないですよ。
流行のクラウドなら、本来情シス関係ないけどね。
中小企業は現場のリテラシが想像以上に低いので、情シスが絡まざるを得ないんですよ。
情シスとしては、「こちらに何も影響ないならどうぞご自由に」ってところなんですけどね。
2社連続で中小企業ひとり情シスやっています。 同じ境遇の方のお役に立てればと思います。
最近、クラウドでは従量課金のものも増えてきた。サービスの利用時間や使ったリソースに応じて料金を支払うのだ。
だが基幹システムのサポート費用やオンプレシステムの導入費用などについては、旧態依然としている。
ベンダーはサポート金額をずっと維持しようとしたり、SI費用を適正な価格にしようとしないのだ。
前社で基幹システムのサブシステムを構築し、導入後1、2ヶ月はベンダーに問い合わせをしたが、その後リース満了になる5年間に渡り、1度も問い合わせをなかったことがある。
その間トラブルがなかったわけではないのだ。情シスで切り分けをして解決したのだ。
再リースに入るので、さすがに値引きを要求したのだが、ベンダーに全くその気は無かった。むしろ再リース後もずっと同じ金額を維持しようとした。
だがこちらもさすがに納得がいかない。5年近く1度も問い合わせをしていないのだ。
次期基幹システムのリプレースも、そのベンダーに依頼することを匂わせて、やっと半額にさせることができた。
それでも基幹システム全体からすると5%程度の値引きだ。その後も1人追加で雇えそうなほどの金額が毎月ベンダーに支払われ続けた。
インフラなどのシステム導入の場面でも同様のことがある。
例えば情シスがいろいろと先回りをして、ハマる要因を潰しているのに、全く値引こうとしないのだ。
もちろん技術的に難度の高い部分をベンダー頼る、というところがメインであり、それに対する費用ではある。
だがベンダーはメイン作業に関連する様々な要因を考慮して、「ここに気をつけてください」と情シスに注意すべきである。それも含めた費用であると思う。
なのに、むしろこちらから「ここが危ないのではないですか?」「あっそうですね」という具合だ。まるで初めてそのシステムを導入するかのような口ぶりなのだ。
どちらがベンダーかわからない状態だ。
もちろんサポート料金は保険的な意味合いがあるのはわかる。開発費用で出た足を回収しようという目論見もあるだろう。SI費用も様々なリスクを考慮したものなのだろう。
だが、ラクをして稼ぎすぎではないか。利益を独占しすぎではないか。
技術料だから仕方ないのか。そもそも技術と言えるレベルなのか。
ベンダーとしては情シスが頑張っても、「珍しい客だ」「ラクができてラッキー」くらいのものなのだろう。
だが実際には情シスもリソースとして活用しているのだ。対価も払わず。
情シスとしてはベンダーを助けたい、などと純粋には思っていない。
ただ障害を早く解消したいだけだし、プロジェクトをスムーズに進行させたいだけだ。
値段が変わらないのなら、障害が発生したら切り分けなどせず、即ベンダーに丸投げしたくなる。
システム導入でもなるべくベンダーが手を動かすよう仕向けたくなる。
でもそれでは結局トラブル解消が遅れ、ユーザが長い時間困ることになる。ユーザはベンダーとの関係など知らないので、情シスに不満をぶつける。
それが嫌だから、仕方なくベンダーの手先となり、露払いや尻拭いをしているのだ。
情シスは不利だ。システムを人質に取られているからだ。
ITに関しては、実際のシステム運用者(主に情シス)のレベルによって、ベンダーの負荷が大きく変わるのではないかと思っている。
何か少しでも変わったことが起きるとすぐ電話をして、解決に何の協力もしないユーザと、
障害の切り分けをしたり、データの分析をして、原因のあたりをつけてから連絡するユーザが同じサポート料金だ。
ベンダーにとってどちらが「いいお客さん」なのだろうか。
社内SEはスタッフ部門である。コスト部門だ。なかなか会社にアピールできる場面はない。100点で当然という世界だ。
だが他のスタッフ部門と違うのは、知識や経験でトラブルを未然に防いだり、解決を早めたりすることができるシーンが多いという点だ。
その際具体的に「○○万円節約した」とアピールできるのは、部門の存在意義を示すにあたり、大きな価値があるのだ。
いくら頑張っても、頑張った分を全部ベンダーの手柄(=利益)にされたら、誰が頑張る気になるだろうか。
少しはベンダーも、情シス部門と手柄を共有しても良いのではないか。
情シス部門が社内で評価されなければ、規模縮小や部門消滅につながる。
それと同時にぶら下がっているベンダーもバッサリ切り捨てられるのだ。
そのことをベンダーはわかっているのだろうか。
そこで以下を提案したい。
・定期的にサポート実績を見直して、負荷が少なれば、サポート料金を下げる。(逆にあまりにもベンダーの負荷が大きければ、値上げする)
・システムを導入した顧客ごとにベンダーSEの負荷を分析し、次回導入時はその負荷に応じたSI費用とする。
・プロジェクト終了後、ベンダーSEにまた仕事をしたい顧客かどうかのアンケートを取り、ポイントが高い場合は次回導入時に値引く。
・情シスに情報処理試験などの資格保持者がいて、プロジェクトをスムーズに進められる確率が高くなる場合は値引く。
恐らく、これらの提案が実現することはないだろう。
だから情シスを始めユーザ側が成長しないのだ。努力してもしなくても同じだからだ。
同時に、ラクに儲けようなどと甘ったれているから、ベンダー側もいつまでもたっても成長できないのだ。
IT業界の社会的地位がいつまでも低いのは当然のことだ。
上記は、青い考えかもしれない。
でもベンダーと情シスが本当に協力しなければ、ITによる業務改善はできないと思う。
都合の良いときだけ、「お手伝いしたい」「支援します」などと耳障りの良いことを言わないで欲しい。
口だけではなく、具体的に示して欲しいのだ。