正直、上の人と関わるのはあまり得意ではない。
40過ぎたおじさんが何を言っているんだと言われそうだが(笑)
でも情シスになってからは、少なからず経営者には鍛えられたところはある。
「声がちいせぇんだよ!」で気合が入る
情シスとして入った最初の会社において、経営会議でシステム導入の提案をした。
事前に社長には話をしてあり、OKをもらっている。
31歳くらいだったが、経営会議で話すのは初めてで、転職しても間もないこともあり緊張していた。
私が話し始めてすぐ、社長が「声がちいせぇんだよ!」と怒鳴った。
顔が紅潮するのがわかった。
だが気合が入った。
その後は叫ぶように説明していたと思う。
説明が終わると、社長はきっちり援護射撃をしてくれた。
他の役員にもプレッシャーをかけていた。
私が会社に入ったとき、情シスは社内からの信頼を失っていた。
そんなときに小さな声で提案をしたら、通るものも通らなくなる。
抵抗勢力の役員達も騒ぎ出す。
その流れにさせないためにも、私に自信を持って話すよう仕向けてくれたのだと思っている。
それからは経営会議のような場では、意識して大きな声で話すことにしている。
自信の有無に関わらず、発表の際には重要なポイントだ。
「なるべく安く上げろよ(笑)」で援護射撃
情シスとしての2社目の話。
私の上司の部長が不在のあるとき、社長に呼ばれた。
システム関連の課題をまとめて、説明しろということだった。
社長は部長を嫌っていたのだった。
部長に話を聞いても埒が開かないので、担当者である私に直接話を聞いたのだ。
それから定期的に社長に説明しに行った。1対1だ。
資料を作り、こうまとめろと指示を受け、また資料を作ってチェックを受ける日々が続いた。
感心したのは、説明するとすぐに理解し、鋭いツッコミが来ることだった。
社長はいい歳だし、決してITの専門家ではない。
会社には営業も開発も業務も、いろんな部門があって、それぞれがお伺いをたてに来る。
適当なことを言って、予算をぶんどろうとする部下もいるだろう。
社長というのは、初見でも概略を理解し、判断しなければいけない大変な仕事だと思った。
翻って、部下はわかりやすく説明する義務があるんだなとも感じた。
何度かの”スパーリング”を済ませ、経営会議で発表することになった。
社長は普段は鬼のように怖い。
会議室に入ってくると、皆雑談をピタッとやめる。
冷房が強まったかのように空気が寒々しくなる。
(あまり怖がらせるのもどうかと思うがw)
そんな中、私は管理職の中で1人係長として、発表した。
緊張はしていたが、上述した経験を生かし、大きな声で説明した。
私の上司の上司の専務は、余計なことばかり私に言ってきた。
つまらない質問をすることが、こちらの足を引っ張るということがわかっていないのだ。
社長は黙ってそれらのやりとりを聞いていたが、まとめとしてシステム導入の必要性を皆に説いた。
そして最後に「なるべく安く上げろよ(笑)」と私に言ったのだ。
皆が一瞬笑い、張り詰めた空気が緩んだ。
こういう援護射撃もあるのかと思った。
下から見ると何をしているのかわからないし、いばっているだけに見えるが、
そうは言っても経営者だ(笑)
きちんとQCDに沿って話をすればわかってくれる。
情シスは社長と直接話ができる良い立場だとは思う。
ただし、オタク思考をそのまま持っていくと雷が落ちるので注意が必要だ。
情シスに向いていない人は概してその傾向がある。
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