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どうも100点満点主義が蔓延しているのが気になっており・・・

すべて自分の思う通り、完璧に手にしないと満足できない風潮のこと。
ゲームでも、全部取りつくす・倒し尽くす・消し尽くさなければならない作りばかりになっている。
それも延々と。


ただ人間同士の争いでは、100対0の圧勝などということはない。
自分がやられる側になった時を想像してみるといい。相手が同じ人間なら、何も反撃せず終わらせるわけがないだろう。

普通の人間同士で大差などない。争えば、51対49で辛くも勝つ、くらいになるのが当たり前であり、そもそも100対0で勝とうとするのは傲慢な考えなのだ。


仕事は人間同士の争いとも言える。
そこにゲームのような圧勝、つまり100点満点感覚を持ち込むと、害悪にしかならない。
その理由を挙げたいと思う。

1.条件が全部揃わないと開始できない

事業を行うためには、人・モノ・カネ・情報というリソースが必要ではある。

だが全部揃えないと気が済まない、というのは問題だ。
100点満点主義者はとにかく全てにおいて満足行く状況にならないとやらないのだ。

「いいパソコンじゃなきゃ仕事がはかどらない」
「タブレットが貸与されていないから仕事にならない」
「営業所がなければ営業活動ができない」

お前が仕事開始するまで一体いくらかかるんだ?w


もちろん会社の方針として、そのあたりのリソースを全社員に貸与しているなら話は別だ。
まあそういう輩は、会社がいくら環境を整備しても、更なる要求をするのだろうが。

全ての条件が揃うことは永遠にない。だから今の条件でまずは始めてみるしかないのだ。

2.やらない理由ばかり見つける

やらない理由は無限に出てくる。

「大地震が来るかもしれないからやらない」
「富士山が噴火するかもしれないからやらない」
「北○鮮からミサイルが飛んでくるかもしれないからやらない」
「天気が悪いからやらない」
「パソコンのスペックが低いからやらない」

現在の環境に文句ばかり言ってやらないのは、すなわち「やる気が無い」ということなのだ。
何か揃えても、足りないものが次々と出てくる。

まずは現在与えられているリソースで何とかしようと考えるべきなのだ。

3.自分だけ制約をはずすことばかり考える

制約をはずして考えるのももちろん大事だと思う。
発想の転換が思わぬ突破口となることもあるだろう。


今さらだが、仕事においてはQCDが重要だ。
※QCD(Quality:品質、Cost:価格、Delivery:納期)

たいていQは、いくらでも大きくすることができる。要件を膨らませるだけだから簡単だ。
100点満点主義者の得意分野だ。


ただそこにCDの制約があるのが仕事なのだ。
仕事とはCDの枠内でやるゲームなのだ。

自分だけその制約をはずしてもらうというのは、
サッカーで「不便だから、自分だけ手を使わせろ」と言うのと同じだ。
試合でそれを強行すれば、反則で退場させられることになる。

会社では何故か退場させられない。不思議だ。

4.失敗しにくくなる

現有リソースで戦って失敗するのは許される。
被害が少ないからだ。

でも散々いろいろ揃えてからの失敗は重罪だ。
上記の「営業所がないと仕事ができない」というのが最たるものだろう。
国内でも営業所を開設するのにいくらかかるか。事務所や什器、PC、複合機、事務員などありとあらゆるリソースが必要になる。想像するだけですごい金額だ。

前の会社では国内の営業所を開設したが、5年のリース満了を待たず閉鎖したことがあった。
海外拠点でもあった。現地法人を設立し事務所も持ったが、5年持たずに撤退だ。
どちらも事務所まで持たずに、まずは直行直帰やホテル住まいで営業活動をして、手ごたえを見てから本格進出することもできただろう。


100点満点主義なら、結果も100点満点でお願いしたい。
そういうやつに限って、予算比50%も売上が行っていないのにドヤ顔している。

別にやるなとは言わない。
ただ、どうして小さく始めるという発想にならないのか、謎だ。

5.いつまでも終わらない

結果で100点満点を狙うといつまでも終わらない。
4の通り、時間が経てば経つほど失敗しにくくなるので、余計終わらない。

そもそも学校時代のテストではないので、100点など無理なのだ。
可能かもしれないが、それにはとんでもなく時間と手間がかかる。
パレートの法則だ。80点まではすんなり行くが、そこから先が非常に非効率になる。

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余計なことはしない


仮にカネはかからないとしても、時間はタダか?そんなことはない。

中堅・中小企業にとって、時間は最も貴重なリソースである。
何故なら大企業と戦う上で、平等に与えられているリソースは、時間だけだからである。
時間を無駄にしている時点で、勝ち目は無い。



最初から100点満点を狙うこと自体が無理なのだ。傲慢な発想なのだ。

いかに短時間で80点の出来に持っていき、他の課題に着手するか。
それが一通り済んだら、また元に戻って地道に改善し続けていくか。

中堅・中小企業にはその発想が必要なのだが、100点満点主義が蔓延する会社だと社員が地獄を見る。



情シスは現有リソースで戦うしかない。大抵リソースが少ないからだ。

そういう条件でアイデアをひねり出すのは、非常に良い訓練になる。
簡単には思考停止しなくなる。
条件・環境のせいにして、すぐ何かを要求するというのは、要は思考停止しているのだ。

こうして鍛えられるのは、情シスの良さでもあるだろう。



100点満点主義者は、同じ100点満点主義者どうしで潰し合っててください。